商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 東京創元社/ |
発売年月日 | 2003/10/15 |
JAN | 9784488023782 |
- 書籍
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千年の黙
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千年の黙
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商品レビュー
4.1
42件のお客様レビュー
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この作品が発表された年には、丸谷本とともに読んだから、もう20年ほど経つのかと思いつつ再読。 改めて読み返すと、賢子を巧みに活かしたことに感心する。 大河ドラマを下敷きにして理解すると、登場人物のキャラクターもイメージはしやすい。その重ならなさとともに。
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第13回鮎川哲也賞 受賞作 一条帝ご寵愛の猫が消えた。 出産のため宮中を退出する中宮定子に同行した猫が、清少納言が牛車に繋いでおいたにもかかわらず、いつの間にか消えていた。 紫式部が探偵役として、謎を解決する。 その紫式部が書き綴っている、源氏物語。 一帖「桐壺」と五帖「若...
第13回鮎川哲也賞 受賞作 一条帝ご寵愛の猫が消えた。 出産のため宮中を退出する中宮定子に同行した猫が、清少納言が牛車に繋いでおいたにもかかわらず、いつの間にか消えていた。 紫式部が探偵役として、謎を解決する。 その紫式部が書き綴っている、源氏物語。 一帖「桐壺」と五帖「若紫」の間に 「かかやく日の宮」という巻が消失しているのではないか? 紫式部の女房の小少将が、情報を収集してゆく。 意外なことに、その巻を実資が秘匿していたとは、実に面白い発想。 いぬきが出てきたのが、嬉しい。
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先に続編『白の祝宴』を読んでいたお陰ですんなり内容に入れた。 あの"あてき"も幼い頃は無鉄砲なお転婆娘だったのね。義清(岩丸)との馴れ初めも初々しくて可愛かった。 第一部は大河ドラマ『光る君へ』とちょうど同じ時代、彰子様入内直前の話。タイムリーで面白かった。 ドラマでも猫・小麻呂が出てくるけれど、帝を始めこの時代の貴人が猫をこんなにも可愛がっていたとは。しかも猫の名前が役職名…。ドラマでも命婦が出てくるのといいな。 そして第二部。 『源氏物語』幻の巻『かかやく日の宮』が消えた謎。この解釈は案外当たりかも。 謎解きも面白かったけれど、一つの物語をみんなが手分けしてせっせと写本して(もちろん手書き)、それが人から人へ、やがて世の中に広まっていく様子に驚いたし感心した。そのお陰で現代の我々は本で読めるのだから有り難いのだけれど、こんなことしていたら、写本する内に元の内容が間違って広まることもありそうで怖い。 「わたしは今まで書いて書いて、ただ書くだけで精一杯だった。書き上げたものがどうやって広まっていくか、だれがわたしの物語をどう扱うか、など考えるゆとりもなかった。でもわたしの手を離れた物語がどうなったか、これから確かめなければならない。何だか想像もしなかったこわいものを見つけそうな気がしてきたわ」 紫式部の創作した『源氏物語』。もちろん創作した紫式部の物語だけれど、読み手の解釈によっていかようにも変化し得ることが面白い。まさか千年後の世で世界中の人々が自分の創作物を読み継いでいっているなんて想像もしなかっただろう。紫式部の物語は何通りにも訳されて、まるで生き物のように読み手の心の中に息づいていく。 全体的に彰子様の賢さ気高さがとても魅力的だった。大河ドラマではまだ彰子様はぱっとしない感じだけれど、これから立派な国母となっていく様子にも期待したい。
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