商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 東京創元社/ |
発売年月日 | 1989/04/01 |
JAN | 9784488696016 |
- 書籍
- 文庫
去年を待ちながら
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去年を待ちながら
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商品レビュー
2.8
5件のお客様レビュー
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西暦2055年、地球人類は《リリスター》と《リーグ》という二大勢力の星間戦争に巻き込まれ、前者陣営だが負け戦らしい。国連総長モールはリリスターをはぐらかすのに必死、WW2後半のムッソリーニの苦境がモデル。主人公は総長の主治医。彼のDV妻は「一回呑んだだけで中毒になる」JJ180(平均4ヶ月後には死に至る)を服用し、彼にも飲ませた。しかし彼はその副作用=タイムトラベルのうちに稀有なことに未来へスリップし‥なんとJJの解毒剤の化学式を持ち帰った‥。戦争のない過去、まだ結婚せず恋人同士であった過去には戻れないが 「平行世界の別の現実からピンピンしている代替の大統領(国連総長は事実上世界大統領)を連れてくる」というのは荒木飛呂彦『スティールボールラン』の元ネタではないか。ほか、印象的な「人間以上に人間臭いロボットタクシー」もディックの創始かもしれない。ほかの作品では「通行料を取る自動ドア」も出てきた。 Last Yearはもちろん「去年」だが最後の年の意味も込められているのかも、とふと思った。未来にトリップすればDV妻の悲惨な姿、戦争の結果、自分の死さえ見なければいけないかも知れない。“ファシスト”党の創始者で枢軸陣営ではあったがムッソリーニの労使協調路線はなかなかうまく行っていた。ディックも尊敬しているという。巻末の『自作解説』で『偶然世界』の自己評価が低いのが全作中ではあまり人気のない一因か。本作もそうだが、おしなべて長編群の結末はハッピーエンドとは思えず解釈が難しい。
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夏のディック祭。ディックの作品に☆1を付けると、絶対的な信者から脅迫を受けそうだが、あえて1つ。 星間戦争中、なぜか地球代表の国連事務総長の主治医を任されたある医者が、妻が手に入れた時間跳躍ができるようになる非合法麻薬 JJ-180を使ってあっちこっちに飛び…という、テンヤワン...
夏のディック祭。ディックの作品に☆1を付けると、絶対的な信者から脅迫を受けそうだが、あえて1つ。 星間戦争中、なぜか地球代表の国連事務総長の主治医を任されたある医者が、妻が手に入れた時間跳躍ができるようになる非合法麻薬 JJ-180を使ってあっちこっちに飛び…という、テンヤワンヤ系のSF。 宇宙船、未来都市、星間戦争、タイムトラベル、パラレルワールド等、詰め込むものは詰め込みましたという作品だし、「アルファ・ケンタウリ」など、SFマニアは引っかからざるをえないキーワードも満載なのだが、とにかく読みにくい。 JJ-180が出てくるまでは、個人名のファーストネーム、ラストネーム、ニックネームなどがポンポン飛び交い、特に会話でほぼ名前だけというのには閉口する。 JJ-180以降は読みやすくはなるのだが、事務総長と会話している途中で、そこにいない人との会話が挟まったり、他人の病状について1ページ以上にわたって記載されたりと、訳以前に、原文の組み立てが今ひとつなのであろう。 タイムトラベルからパラレルワールドに入り込むあたりは面白いが、いかんせん詰め込みすぎて消化不良。訳者あとがきで、訳者自体よくわからなかったと記述しているが、訳もストーリーも最近読んだ中では一番ひどかった。 巻末に、解説代わりの資料でディック本人が代表作について述べており、本作は「『電気羊』と並んで良く書けた」と自画自賛しているが、どうなんだろ? 2回目に読んだら、登場人物の把握が先にできている分、印象が少しは変わりそうな作品だけど、もう一度読みたいかと言われると、ウーン…。
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ディック先生のトリップ体験がふんだんに活かされている作品。エンタメというよりは深刻な感じだった。ダメ人間群像劇は、他の作品に求めることにします。 暗い閉塞感や、でも結局は妄想なんでしょ?な感じはさすが。エリック・スイートセント氏(主人公)の徒労っぷりには同情いたします。 本...
ディック先生のトリップ体験がふんだんに活かされている作品。エンタメというよりは深刻な感じだった。ダメ人間群像劇は、他の作品に求めることにします。 暗い閉塞感や、でも結局は妄想なんでしょ?な感じはさすが。エリック・スイートセント氏(主人公)の徒労っぷりには同情いたします。 本書にはおまけがついております。ディック先生が自作を語るコーナーです。読み応えがあって面白いです。個人的には、『タイタンのゲーム・プレーヤー』への評価がツボでした。去年、復刊したので読んでみましたが、何だかなあという感じでした。さて、先生ご自身の評価は...(苦笑)
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