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日本の禍機 講談社学術文庫784
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 1987/04/10 |
JAN | 9784061587847 |
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日本の禍機
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日本の禍機
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商品レビュー
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7件のお客様レビュー
前篇 日本に関する世情の変遷(日本に対する世評の変化;満州における日本に対する世の疑惑の由来;反動説―感情的反対者―利害的反対者;東洋における世界の要求;日露戦争以後) 後篇 日本国運の危機(戦後の日本国民多数の態度に危険の分子あることを論ず;日本と米国との関係に危険の分子少なか...
前篇 日本に関する世情の変遷(日本に対する世評の変化;満州における日本に対する世の疑惑の由来;反動説―感情的反対者―利害的反対者;東洋における世界の要求;日露戦争以後) 後篇 日本国運の危機(戦後の日本国民多数の態度に危険の分子あることを論ず;日本と米国との関係に危険の分子少なからざることを論ず) 結論 日本国民の愛国心
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黒川清の「規制の虜」の中で「いちど読んでみなさい」と促され読んでみた。 文体が古くてなかなか読みづらいものがあるが、中身は素晴らしい。時代的な制約も感じるが、これだけはっきりとものを言うのには、当時としては勇気がいったことだろう。
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積ん読状態から解放。 比較法制史研究者として特に欧米で知られる朝河貫一が、1909年(明治42)に著したのが本書。 満州において、清朝の主権を踏みにじり貿易による利益を独占しようとするロシアと、清朝の独立・領土保全と満州の門戸開放・機会均等を主張した日本が、各国列強の思惑の中で...
積ん読状態から解放。 比較法制史研究者として特に欧米で知られる朝河貫一が、1909年(明治42)に著したのが本書。 満州において、清朝の主権を踏みにじり貿易による利益を独占しようとするロシアと、清朝の独立・領土保全と満州の門戸開放・機会均等を主張した日本が、各国列強の思惑の中で「第0次世界大戦」とも呼ばれる日露戦争を戦って数年。 「旧外交」を打ち破り、新たな潮流たる「新外交」の旗手となることで、世界史上の栄光に包まれるはずだった日本。 その日本が、満州をめぐる問題において、今まさに岐路に立とうとしている。 そうした背景の下、在米邦人の優れた歴史学者が論ずる分析は、もはや「慧眼」というような言葉をも超えた凄味がある。 満州をめぐる問題と云うのは、それを“実際に経験した”あるいは“知っている”我々からすればごく簡単なことで、つまり「日本が満州における権益を独占した」ということだ。 朝河はそれを危惧した。 「清朝側からの発信などによって欧米で日本に対する非難が起こっているが、表に公正を謳いながら裏で私曲(本書のキーワード)をしているのであれば、日本は世界から孤立する」 そして予測する。 「もし日本が新外交を担う栄光の座を打ち捨てるのであれば、その座の主となるのはますます富強の国家となっていくアメリカである。日本が清朝の主権を蹂躙しようとするならば、かつてロシアに対した日本のように、アメリカが立ちはだかる。刃を交えることになる」 ゆえに警鐘を鳴らす。 「繁栄か滅亡か、今がまさにその岐路である。自省すべし、文明の敵となるべからず」 諸々の報道やアメリカ大統領の言動など、提示される情報を元に同時代を分析する力、透徹した目。すごい。 伊東博文が暗殺された際、この本を携行していたという。 歴史に「if」は禁物だが、「もし…」と思わずにはいられない。 また日・米・中の3ヶ国の関係についての論も圧巻。 「日本の今後の国運の大半は、『東洋の最大問題』たる清・『世界の最富強国』たるアメリカに対する関係で定まる。そして日清・日米の関係を決めるのは、日本国民の両国に対する知識・感情である」 とても100年前に書かれた本とは思えない。 補筆として、本書が出版される頃の一時的な日米関係の改善について、朝河は心からの慶賀を述べている。 生涯の大半をアメリカで過ごしながら、終生日本国籍のままであったこの愛国者の希望を、その後の日本が打ち砕いたのは言うまでもない。 今また禍機に立つ日本において、読まれるべき本のひとつだと思う。
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