商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 小学館 |
発売年月日 | 1994/12/14 |
JAN | 9784091920225 |
- コミック
- 小学館
紅い花(文庫版)
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紅い花(文庫版)
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商品レビュー
4.3
14件のお客様レビュー
やはり『紅い花』に魅せられます。また、本書はノスタルジックな短編が多く、個人的に好きな話がギュッとまとまっている印象を受けました。『ほんやら洞のべんさん』なんか特に好きです。なにかが起こりそうな適度な緊張がありながら、ゆったりと着地する最後の一コマの情趣がすばらしいです。芥川龍之...
やはり『紅い花』に魅せられます。また、本書はノスタルジックな短編が多く、個人的に好きな話がギュッとまとまっている印象を受けました。『ほんやら洞のべんさん』なんか特に好きです。なにかが起こりそうな適度な緊張がありながら、ゆったりと着地する最後の一コマの情趣がすばらしいです。芥川龍之介の『蜃気楼』あたりを思い出します。あとやっぱり梶井基次郎。
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紅い花の叙情的で郷愁を誘うその世界は、何とも言えない独特な感情を呼び起こさせる。それは暖かく、優しく、そして悲しい、そんな気持ちにいつもさせてくれる、私にとって大切な作品です。
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代表作とされる「紅い花」「李さん一家」「もっきり屋の少女」を含む13編を収録。 ’影’の表現が素晴らしい。 直接的に感情を口にする場面はほとんど見られないが、陰影や微妙な表情のゆらぎ、情景で心模様を描き分けている。 表題作「紅い花」は夏の陽が注ぐ深緑、川や滝の流水音・蝉...
代表作とされる「紅い花」「李さん一家」「もっきり屋の少女」を含む13編を収録。 ’影’の表現が素晴らしい。 直接的に感情を口にする場面はほとんど見られないが、陰影や微妙な表情のゆらぎ、情景で心模様を描き分けている。 表題作「紅い花」は夏の陽が注ぐ深緑、川や滝の流水音・蝉の声が耳目に鮮やか。そして現れる紅い花。初潮を迎えたサヨコと、それを目の当たりにしたシンデンのマサジの心の変化が描かれる。 「李さん一家」はただただ怖い。どこからともなく鳥語を話せる李さんが現れ、いつの間にか家の二階に住み着き、特に何をするでもなくそこにいる。最終的にどうなるかと言えば「実はまだ二階にいるのです」で終わり。いや、怖すぎる。 「通夜」はブラックジョークと不謹慎の塊のような作品。死んでしまったら尊厳も何もない、おしまい。という事かな。 「海辺の叙景」は大人の男女のささやかな恋模様を表情・情景と影の表現で描いた作品。心情を直接的にはセリフに一切出さずとも繊細な心の揺れまでが伝わってくる。ボート小屋の対比で恋の始まりの予感と終息の気配を。ラストシーンの曇天、雨の中暗い海で泳ぐ男の表情は伺えないが、別れに落胆する寂しさを見開きの構図で描写。女の「いい 感じよ」というセリフが余韻を残す。 「西部田村事件」「ニ岐渓谷」「ほんやら洞のべんさん」は旅先の土地で暮らす人々の風土・習俗を生き生きと描いている。 続く「女忍」は一転、時代劇。復讐の緊張感や昏さ、忍びの動きが余す所なく活写されている。 50〜60年代の学生青春劇「古本と少女」。主人公があれこれ悩む様子を俯瞰・バックショット等多彩なカメラワークで捉えている。 「もっきり屋の少女」は貧しい農村に暮らす「みじめ」な少女・チヨジの姿があんまりにも切なすぎる。闇に吸い込まれる男のエールも虚しい。 「やなぎや主人」「庶民御宿」は闇が濃い作品。人間の業や欲を抉る。どちらかと言えば後期の作品か。 「近所の景色」には画風や線にはっきりと変化が見られる。今ひとつテーマがとらえにくいが、時代の移ろい・街並みの変化により「貧しげでいずれは朽ち果ててしまいそうだが、自然のぬくもりが感じられ」(p292)た風景が失われていくことへの述懐のような気持ちが込められているのではないか。 読み応えがすごい。 濃密かつ風化知らずの名作品集。 26刷 2021.9.18
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