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日本経済再生の戦略 21世紀への海図 中公新書
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 中央公論新社/ |
発売年月日 | 1999/10/25 |
JAN | 9784121015006 |
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日本経済再生の戦略
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商品レビュー
3.7
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1999年刊行。「『超』整理法」「1940年体制」の著者(東大教授)が、経済関連制度の戦中からの史的展開と経済再生の処方箋を論じたもの。まずは注目点。①社会保障の財源は相続税とすべし。社会保障給付なく、老後に子供の扶養下に入るならば、事実上扶養と遺産とが対価関係にあったとみるべきだが、高齢者扶養を社会化するならば、対価関係にある遺産は課税して社会化すべき。②1970年代、公害問題議論が進展する等成長第一主義から転換する兆しがあったが、石油ショックによる日本経済への打撃により、成長第一主義に逆戻り。 ③日本経済の将来への悲観が、株価・地価等の低落を予期し、(一層、需要が減退し)現在価格の低下を招来。④現物小作制・小作料が収穫の半分という状況が戦時期に変化。現物の政府への供出制の採用の結果、小作料支払いが金納制になった。地主に不利な二重価格制の採用。生産者へのインセンティブを増すため。このため地主と小作人の関係が変わり、地主の地位の顕著な低下。⑤規制の是非は、正当化根拠ではなく、規制により市場メカニズムが回復すること。⑥規制緩和だけで経済活性化は図れず、「潜在的エネルギー」(新規事業)の育成政策が必要。 ⑥現行給与所得制度の問題。源泉徴収制度(税痛なく税制への無関心)の否定、給与所得控除は実額控除よりも高額で現行給与所得は優遇しすぎ。次に疑問点。①育成すべき新規産業が情報産業に偏りすぎで、その他具体的提言を欠く。他にないの?他国の小規模産業の実態を紹介したものはないか?②製造業からサービス産業への雇用調整・転換によって生じる所得減少に全く配慮がない。③財政赤字が内国債で賄われている場合には、政府の赤字は家計の赤字と異なり、一国が全体として使用できる資源総量を、時間的に変更する機能を持たない(○)。 また、公債購入者は支出を削減(? 貯蓄の削減の場合はないのか?)し、政府支出に振り変わるだけ(? 政府支出に振り変わる場合があることは○だが、他の場合はないのか?)。さらにこの点は、本当にこの問題だけか?もし実税収を超える国債償還費になったり、償還のための税収が不足する(新規国債で賄う)ことが続くと、国債への信頼低下により、国内における引受先の減少・消滅し、需要の低下した国債が暴落する。このシナリオは誤謬あるか?私の誤解?
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1999年に刊行された本で、1990年代からの日本経済の不況が構造問題に起因すると論じ、その対策を考察しています。 著者は、アメリカでインターネット・ビジネスなどのヴェンチャー企業が高い業績を上げていることに触れ、日本社会にはそうした新しい活力を疎外する構造問題があると指摘しま...
1999年に刊行された本で、1990年代からの日本経済の不況が構造問題に起因すると論じ、その対策を考察しています。 著者は、アメリカでインターネット・ビジネスなどのヴェンチャー企業が高い業績を上げていることに触れ、日本社会にはそうした新しい活力を疎外する構造問題があると指摘します。その上で、そうした問題が「タテ社会」などの日本人の文化的本質に根ざしたものなのではなく、1940年代の戦時総力戦体制によって形成されたものだと指摘し、現在そうした日本社会の仕組みを作りかえる必要があると論じています。 「構造改革」の必要性を訴える本書のような議論は、当時多く見られたのではないかと思いますが、現在の視点から振り返ってみると、もう少し広い視野が必要だったのではないかという感想も浮かんできます。
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世の中が急速に動いている中で、10年前の分析は、その時代に未来をいかに捉えていたかがわかるという意味で、読んで損はない。構造改革後にどうなったのか、というのが今の現実である。
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