商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 新潮社/ |
発売年月日 | 1999/01/20 |
JAN | 9784104277018 |
- 書籍
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整形美女
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整形美女
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整形外科医の大曽根は繭村甲斐子の言うことが信じられなかった。完璧な美貌を持つ甲斐子は自分を醜いといい、周到に考えた計画通りに施術することを望んでいた。どう考えても今より醜くなるその手術を大曽根は受けることができず、断ったが、その後自分の美貌の価値観にすら悩むようになる。それを確か...
整形外科医の大曽根は繭村甲斐子の言うことが信じられなかった。完璧な美貌を持つ甲斐子は自分を醜いといい、周到に考えた計画通りに施術することを望んでいた。どう考えても今より醜くなるその手術を大曽根は受けることができず、断ったが、その後自分の美貌の価値観にすら悩むようになる。それを確かめる絶好の機会として、偶然知り合った若者たちが「美人」とほめそやす望月阿倍子と会ってみるが、大曽根はますます悩むことに。美醜とははっきりと決まったものではないのか。 阿倍子はその後美容整形を受けて美しくなる。郷里の火の玉村で同級だった甲斐子のような完璧な美貌を手に入れたのだ。一方甲斐子もべつの病院でやはり施術していた。ちょうど男たちが「美人」と称する阿倍子のような美貌に―― 甲斐子の「計画」はこころもち崩れた(しかし男好みの)外見になってからも続く。心も外見に合わせていくのだ。男の言うことにいちいち意見せず、「ちょっとよくわからないけど」という顔で微笑む。そんなあざとさも、いつしか自然にできるように。 一方、甲斐子のような美貌を手に入れた阿倍子はなぜか前のように気安く男に話しかけられなくなる。いつしかかつての甲斐子のように孤独になっていくのだ。 美醜に対する世間や性差による評価の違いをかなり大袈裟に描いているけれど、何か考えさせられるものがあった
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整形美女 タイトルと装丁から、百田さんのモンスターみたいな感じかなあと読み始めると いい意味で裏切られました。 地味顔美人が整形して派手顔美人に 派手顔美人が整形して地味顔美人に。 しかも中身も変わって行く。 地味顔美人になった甲斐子の計画が最小公倍数の研究を重ねて、男性社会...
整形美女 タイトルと装丁から、百田さんのモンスターみたいな感じかなあと読み始めると いい意味で裏切られました。 地味顔美人が整形して派手顔美人に 派手顔美人が整形して地味顔美人に。 しかも中身も変わって行く。 地味顔美人になった甲斐子の計画が最小公倍数の研究を重ねて、男性社会に拮抗するんじゃなく 寄り添う。ちやほやされて生きて行くのよ!わたしは! と言っていて、なんとなく地味顔に変えた理由がわかりました。 甲斐子が言っていた 「変わっている。これは語彙に乏しいものが発する拒絶の語だと、いまいちど繰り返す。個性的だと褒められたなどゆめゆめ思わぬがよい。自分の経験からはみ出した状況や物や人に対して嫌悪していて、その嫌悪していることを平易に、あるいは嫌悪している自分を見つめずにすました語である」 と言う言葉。ストーリーとは関係なく、 おおと思いました。 「あの人変わってるね」の一言で済まされるのは 褒め言葉だと勘違いする人は多いけど、違うのだ。 二人の主人公に違和感を覚えることはとても多いけれど (派手顔美人でも中身をはじめから地味顔仕様にすれば絶対モテるのにそんなこともわからない甲斐子がここまで計画を遂行できるはずがない!)とかね でも最後はすうと落ちて行きました。 整形がどうのこうのって考えたり 女の生き方を考えたり そういうのじゃなくて ただ、ストーリーを楽しむ本です。 そう健やかに、この本を読めばいいのです。
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