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倒錯の舞踏 二見文庫ザ・ミステリ・コレクション
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倒錯の舞踏 二見文庫ザ・ミステリ・コレクション

ローレンス・ブロック(著者), 田口俊樹(訳者)

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倒錯の舞踏 二見文庫ザ・ミステリ・コレクション

953

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 二見書房/
発売年月日 1999/06/25
JAN 9784576990712

倒錯の舞踏

¥953

商品レビュー

3.4

8件のお客様レビュー

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2025/11/18

まさに倒錯、グロすぎて正視できない。ブロックの倒錯三部作の2作目、ニューヨークの闇、「罪と罰」を描いたなどとあるが・・ 人間の犯す罪、その断裁のしかたは法を通るか私裁か。スカダーが事件をたぐりよせて収束させる過程はやはりおもしろいのだが、どうもその世界が。 スカダーは、ニューヨ...

まさに倒錯、グロすぎて正視できない。ブロックの倒錯三部作の2作目、ニューヨークの闇、「罪と罰」を描いたなどとあるが・・ 人間の犯す罪、その断裁のしかたは法を通るか私裁か。スカダーが事件をたぐりよせて収束させる過程はやはりおもしろいのだが、どうもその世界が。 スカダーは、ニューヨークのうらぶれた暗い通りにあるボクシング会場で試合を見ている。リングぎわに四十半ばの男とくっきりとした富士額の少年の親子みたいな連れがいるのに気が付く。なにかどこかで見たことがあるような・・ スカダーは、妹が強盗に殺されたが、あれはそこにいた夫がやったに違いない、調べてくれと依頼を受ける。 半年前、スカダーはアルコール中毒克服者の集会に出かけると、メンバーから「特攻大作戦」のビデオを渡される。レンタルしたのだがとにかくみてくれと。そこには猟奇殺人のフィルムが挿入されていた。 ・・と90ページになって裏表紙にある説明の箇所が出てくる。このおぞましいフィルムにつまった闇の世界。 書かれたのが1991年。ああ、この頃はビデオを見るといえばレンタルだったのだ。そして、ドナルド・トランプが二度も出てきた。ボクシングの試合会場と、登場人物はドナルド・トランプの建てたホテルに住んでいるという設定。 ボクシングの試合がアトランティック・シティのドナルド・トランプのところでやる、という箇所があり、 調べると1986年頃、トランプはアトランティック・シティに引っ越しマイク・タイソンの試合が自分の所有地で行われるよう仕組みしこたま儲けた、とあった。 「ドナルド・トランプ物語21」 ハテナブログINSTANT KARMA https://wellwellwell.hatenablog.com/entry/2025/01/16/140833 そして、警官6人を殺した犯人の弁護人は「尺八野郎のグルリオウ」だ。などと出てきた。これは「死者の長い列」に出てきた人物ではないか。 この翻訳表現もスカダーものにちょっとひいてしまう部分なんだなあ。原文がそういう表現なのか。訳は田口俊樹さん。「翻訳ミステリー大賞シンンジケート」の発起人の一人でもあった。 原題:A Dance at the Slaughterhouse  屠畜場での舞踏 1991発表 1999.6.25初版 図書館 (単行本は1992.11) 前作「墓場への切符」1990 本作「倒錯の舞踏」 1991 1992MWA(アメリカ探偵作家クラブ)最優秀長編賞受賞作 次作「獣たちの墓」1992 で倒錯三部作 とされている。

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2020/08/25

1991年発表、マット・スカダーシリーズ第9弾。「八百万の死にざま」(1982)で80年代ハードボイルドの頂点を極め、中堅作家だったブロックは一躍大家として大輪の花を咲かせた。だが、以降スカダーの物語は急速に色褪せていく。あくまでも自論だが、枯れたのである。 帰宅時、運悪く出く...

1991年発表、マット・スカダーシリーズ第9弾。「八百万の死にざま」(1982)で80年代ハードボイルドの頂点を極め、中堅作家だったブロックは一躍大家として大輪の花を咲かせた。だが、以降スカダーの物語は急速に色褪せていく。あくまでも自論だが、枯れたのである。 帰宅時、運悪く出くわした強盗によって殺された女。その兄は「殺したのは夫だ」と主張、スカダーに真相を探るよう依頼した。夫であるサーマンは新参ケーブルテレビ局のプロデューサーだったが、事業は順調とはいえず、資産家の出だった妻が死んだことで、莫大な遺産を手にしていた。事件当時の状況にも不審な点が多い。後日、スカダーは、テレビ局主催となるボクシングの中継会場で、サーマンの様子を窺っていたが、漠然と別の者へと注意を引かれた。リングサイドにいた或る観客への既視感。その男の手。のちに確信へと変わる。以前に見たビデオ。縛り付けた若者を残虐に殺した正体不明の男と女。そこに映っていた殺人者の手と同じだった。凶行は、今も続いているに違いない。妻殺しの疑惑がかかるサーマンと、殺しの映像。二つの事件を同時進行で調べ始めたスカダーは、やがて不可解な共通項に行き当たる。 熟成した語り口、淀みない構成、的確な情景描写、巧みな人物造形など、ブロックの実力は改めて述べるまでもない。プロットはやや強引だが、ミステリとはしては許容範囲だろう。ただ、全体的な空気感が大きく変わった。もしくは、感傷が弱まったと言えばいいだろうか。スカダーの〝変貌〟については、「死者との誓い」(1993)のレビューで触れたのだが、その前兆が明確に表れている。 本作で探偵は、遂に「暴力」の一線を超える。しかも、殺し屋の〝協力〟を仰ぐという、無残な展開を辿る。 それまでも予兆はあったが、マット・スカダーはアルコールを断つように、〝罪と罰〟の命題を自ら葬った。苦悩することを、きっぱりとやめたのである。スカダーを〝闇の仕置人〟としてヒーロー化させたことが、本シリーズの強度を弱めた大きな要因だと感じた。以前「ノワールへの傾斜を深めた」とも書いたのだが、正しくは既存のハードボイルドと決別したと捉えるべきなのかもしれない。 恐らく、ブロックとしては、スカダーの〝正義感〟を、より明瞭/強固にし、次のステージへ向かうステップを踏んだのだろう。作家が一番恐れるのはマンネリに陥ったという評価であろうから。当然のこと、新たに主人公を創造するよりも、人気の高いヒーローを続投させることで、作品としてはそれなりに〝売れる〟訳だから手放すのは勿体ない。そもそも、本稿のように捻れた捉え方をする読み手は些少であり、何でも喜んでくれる〝真のファン〟だけを相手にすればいい。パーカー/スペンサーシリーズが、その好例のように(文句のある時だけ引っ張り出して申し訳ないが)。 ニューヨークの片隅、その大半が未解決となる犯罪の蔓延る街に生き、どうしようもない現実への焦燥に抗うため、酒に溺れる日々を送っていた孤独な男。己と同じように生きづらさに悶え苦しむ者を〝救済〟することで、精神的な均衡を保っていたが、「八百万……」でそれも限界に達し、スカダーは〝悲劇的且つ喜劇的な〟終局に於いて自らを〝浄化〟した。「墓場への切符」(1990)から始まる所謂「倒錯三部作」(作者非公認、日本でのみ通じるトリロジー)は、探偵が〝変貌〟するさまがよく分かる。 本シリーズは、法で裁くことのできない犯罪者にどう罰を与えるかに一貫して焦点を当てていた。これがスピレイン/ハマーなどの通俗的スタンスならば割り切れるが、殺し屋らの手を借り、私刑紛いの制裁を下して〝神の役割〟を果たす男が、幾ら罪と罰を考察しようが説得力がない。終盤、血に染まった身体のままで教会へと赴き、「アーメン」と吐くスカダーは、堕落したのだと感じた。 危うい均衡を崩した果てに、決着を付ける手段として安易なる暴力を選ぶ主人公の姿に、ブロックはどんな思いを込めていたのだろうか。 本作はターニングポイントとなる作品だが、同系の雰囲気を持つ次作を経て、スカダーは精彩を失い、単なる〝謎解き探偵〟へと変わっていく。シリーズ最終作の可能性が高い「償いの報酬」(2011)では、老境に入った74歳のスカダーが、禁酒直後の事件を回想している。達観の境地に至ることは良しとして、詰まらない人生観を語る探偵に成り下がるのだけは避けて欲しかったのだが、ブロック自身の年齢を考えれば、致し方ないことか。

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2019/10/18

閉店する古本屋さんから格安で購入したまま積読になっていたもの。 有名な作家とは知らず……。 しかし、悪と善の境目にいるようなハードボイルド(探偵業)が、安定を失った大地の上でゆり動かされ読者に突きつける「善とは?」という問い。 作中にあった「変化したくないと思った時には変化して...

閉店する古本屋さんから格安で購入したまま積読になっていたもの。 有名な作家とは知らず……。 しかし、悪と善の境目にいるようなハードボイルド(探偵業)が、安定を失った大地の上でゆり動かされ読者に突きつける「善とは?」という問い。 作中にあった「変化したくないと思った時には変化しているんじゃないか」というような文に心をつかまされた。 シリーズの途中作らしいので、次に刊行された続巻を読もうと思う。そういう盛り上がった作品。

Posted by ブクログ