商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 2005/06/10 |
JAN | 9784061984073 |
- 書籍
- 文庫
長い時間をかけた人間の経験
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長い時間をかけた人間の経験
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商品レビュー
4.4
6件のお客様レビュー
被ばく特集であげられた本である。タイトルから小説だと思っていたらそうではなく長崎の軍需工場勤労動員の時に被ばくした自分とその友人の体験を書いたものであった。被ばくの後遺症がどのように出てくるかについて自分の体験だけではなく医者へのインタビューでも書かれていたのでわかりやすい。トリ...
被ばく特集であげられた本である。タイトルから小説だと思っていたらそうではなく長崎の軍需工場勤労動員の時に被ばくした自分とその友人の体験を書いたものであった。被ばくの後遺症がどのように出てくるかについて自分の体験だけではなく医者へのインタビューでも書かれていたのでわかりやすい。トリニティからトリニティへという短編も併設されていた。これは原爆投下実験の博物館(あるいは記念館)としての軍基地に行った体験談である。 単行本では、背表紙が薄い同色系のアイボリーピンクで書かれているので見つけづらかった。
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Na図書館本 たくさんの人に読んでほしい。 平野啓一郎さん講演会でおすすめされたので。 長崎に原爆が落とされたとき、作者はN高等女学校二年生。 天寿に待ったをかける命の短縮こそが、原子爆弾と人間との間に交わされた約束なのである。 被爆者は、ぶらぶら病と言われて、どこも悪うな...
Na図書館本 たくさんの人に読んでほしい。 平野啓一郎さん講演会でおすすめされたので。 長崎に原爆が落とされたとき、作者はN高等女学校二年生。 天寿に待ったをかける命の短縮こそが、原子爆弾と人間との間に交わされた約束なのである。 被爆者は、ぶらぶら病と言われて、どこも悪うなかごとみえて体のだるかけん、ぶらぶらしとる、そんげん病気のこと。 体力なく、火傷痕のせいで雇ってももらえず。 長崎の言葉で描かれた、被爆者の姿は臨場感あふれ心に迫り来る。 トリニティサイト。 プルトニウム爆弾の実験された地。そこで浴びる放射線量は低いとは言えない。 マンハッタン計画のなかで、アメリカの保有する三つの原爆。一個はウラニウム弾で広島へ、後の二個はプルトニウム爆弾であった。 原爆について語ることは、私には重すぎる。 だから、この本をたくさんの人に読んで欲しいと思う。
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命とは何だろう。大辞林には――生物を生かしていく根源的な力。生命――と説明してある説明から推すと、固有の名をもつ個人は、命を包む皮袋ということになる。夢がなくなるが、より神秘的でもある。力、エネルギーの停止が死だから、死の沈黙は、私に圧力をもって重くのしかかってくる。そしてこの、...
命とは何だろう。大辞林には――生物を生かしていく根源的な力。生命――と説明してある説明から推すと、固有の名をもつ個人は、命を包む皮袋ということになる。夢がなくなるが、より神秘的でもある。力、エネルギーの停止が死だから、死の沈黙は、私に圧力をもって重くのしかかってくる。そしてこの、具体的な現象からくる死が人に在るから、悩み苦しむ。苦しみや虚しさの根源も、死が生の基調になっているからだろう。
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