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川は誰のものか 人と環境の民俗学 歴史文化ライブラリー205
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川は誰のものか 人と環境の民俗学 歴史文化ライブラリー205

菅豊(著者)

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川は誰のものか 人と環境の民俗学 歴史文化ライブラリー205

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 吉川弘文館
発売年月日 2006/01/01
JAN 9784642056052

川は誰のものか

¥1,870

商品レビュー

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2022/02/09

この本は自己研鑽用なのか、それとも息抜きなのか。。 自分で作っておいて分類できないー ま、そんな本も、あるよね! 昔、母親に物をねだるときによく使っていた「みんな持ってるよ」という言葉。 今、子供に使われると、とりあえず「みんな」って誰よ?、と聞き返す。 当然、出てきたとしても...

この本は自己研鑽用なのか、それとも息抜きなのか。。 自分で作っておいて分類できないー ま、そんな本も、あるよね! 昔、母親に物をねだるときによく使っていた「みんな持ってるよ」という言葉。 今、子供に使われると、とりあえず「みんな」って誰よ?、と聞き返す。 当然、出てきたとしても二、三人の名前しか挙がらない。 そもそも、子供の世界はまだ狭く、二、三人でも十分彼(彼女)の中では、「みんな」に相当するのだ。 コモンズ、という言葉。 本書では、「複数の主体が共的に使用理管理する資源や、その共的な管理・利用の制度」という定義。 国や政府が担う「公」と個人が担う「私」の間、に位置する「共」である。 テーマである「川」はざっくり言えば、今は「みんな」のものである。 管理しているのは都道府県かもしれないし、市町村役所(場)かもしれない。 でも元来、川も海も森も、そして土地も誰のものでもなかったはずである。 それを人間が繁栄するのに伴い、「私」のものにしていっただけの話である。 ほとんどの人が行ったことのない月でさえ、誰かが所有している。 正直、おかしな話である、と思う。 さて、大川という河川流域の村落において、サケ漁を介して厳密なルールが作られ、運用されるに至っている課程が描かれている。 サケ、という資源は有限であり、その生態系とも一心同体、サイクルの中の一要素である。 村落の誰かが利己的に走りすぎると、結局はみんなが損をしてしまう。 政府のサケ漁の政策変更にも影響を受けながら、漁師の絶対数の減少、漁法の変更など興味深く読んだ。 特に、根こそぎ効率よくとれる漁法をあえて捨て、昔ながらのコド漁を残してきたところ、感心した。また、サケ漁の生き残りをかけて、「みんな」の枠を広げる決断も合理的とはいえ、なかなかできるものではなかっただろうと思った。 宇宙に進出する、という構想もあることは知っているが、今ある地球という資源すら食い尽くそうとしているようでは、どこに行ったとしてもいずれ終わりが来るのは目に見えている。 ここいらで、本気で、全地球規模でのルール作りをすべき時に差し掛かっているのだと思う。 資源(お金)には限度があるので、必要でないものは、欲しくてもすべて買ってあげることはできません! 先ずは、そのことをしっかり子供に教えていきたいと思います。

Posted by ブクログ

2013/06/08

新潟県山北町大川郷でのサケ漁に係る慣習・コモンズの歴史・変遷をまとめている。コモンズに係る書籍はいろいろあるが、日本の各地に生起したコモンズのとらえ方にも汎用できる事例・説明である。 慣習やコモンズが歴史や制度を踏まえてどう対処し、変遷をしてきたのか、特にコモンズの「入れ子構造...

新潟県山北町大川郷でのサケ漁に係る慣習・コモンズの歴史・変遷をまとめている。コモンズに係る書籍はいろいろあるが、日本の各地に生起したコモンズのとらえ方にも汎用できる事例・説明である。 慣習やコモンズが歴史や制度を踏まえてどう対処し、変遷をしてきたのか、特にコモンズの「入れ子構造」や「公」「協」「私」の違いが非常にわかり易い。 あとがきに書かれているように、「人間は「共」に生きるために、どうのような工夫をしてきたのか?」「社会は、どのように個人の利己的、反社会的衝動をコントロールしてきたのか?」「どのような社会的取り決めが持続していたのであろうか?」このようなコモンズをめぐる疑問に答えることは、未来のコモンズを作る上で大いに参考になる。 グローバル化が進む中、我々の生活が、途上国のコモンズにまで影響を及ぼしている。このような中でどのように地域の慣習やその変化に配慮しながら、資源保全と豊かな社会を形成・持続していけるのか、遠い平和世界の実現にもつながる課題であると思う。

Posted by ブクログ

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