商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 集英社/ |
発売年月日 | 2005/12/10 |
JAN | 9784087747805 |
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異国の客
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異国の客
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商品レビュー
3.7
8件のお客様レビュー
政治や文化、文学や人生をめぐって良きにつけ悪しきにつけ実に冷徹かつおだやかに筆は運ばれる。ぼく自身も含めて、政治的なトピックを語る際はともすれば情念をむき出しにして・敵対心丸出しの姿勢になりがちだ。だが池澤の場合は言うべきところにNOと言いつつ、最大限の譲歩を行うフェアネスを貫こ...
政治や文化、文学や人生をめぐって良きにつけ悪しきにつけ実に冷徹かつおだやかに筆は運ばれる。ぼく自身も含めて、政治的なトピックを語る際はともすれば情念をむき出しにして・敵対心丸出しの姿勢になりがちだ。だが池澤の場合は言うべきところにNOと言いつつ、最大限の譲歩を行うフェアネスを貫こうとする姿勢が頼もしい(だがそれが故に、彼の姿勢は優等生的な高みから立った態度とも受け取れる。「譲歩」なんてのは「エリート」「インテリ」の所作とも解釈できるからだ)。ここまで果敢に「物申す」危険を冒すその動機はどこにあるのだろう?
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異国の客 池澤夏樹氏が異国の客として居を構えているフランス フォンテーヌブローからの月に一度のエッセイ通信。 何故通信かというと、日本の読者に向けてのメッセージが含まれているからです。EUの理念、イラクでの人質事件への考察、全体と個の考察、宗教、デモ。。。 出来るだけ日本との違い指摘するのではなく記したと書かれていますが、日本人である池澤氏の目を通したこと自体が比較論となっています。竹蔵は池澤氏のフィルタが好ましく思われます。 いろいろなことに”そーだよなー”と思い、竹蔵が言いたいことはこういうことなんだよ!と思ってしまいます。でも良く考えると、言いたいことが同じなのか?池澤氏が言っていることに賛同しているのか?よくわからなくなって来ました。それ以前に話題の選び方自体が好きなので、多分後者なんだと思います。 今興味を持っている地球温暖化の問題も、思えば「楽しい終末」あたりの影響だったかな? 海に囲まれ同一民族同一思考がはびこり易い、日本という特別な国で暮らしている竹蔵は、別の視点にはっとすることや、別の意見を敢えて表明することを心がけていきたいと思います。 竹蔵
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文庫でも出ているのは知っていたが、装丁の美しさでこちらを読む。 文字の大きさも心地よく、上製本にも関わらず軽く、開きやすいスクエアに近いサイズ。 (装画=名嶋憲児 ブックデザイン=守先正) 内容も、読み込むとかなり重い内容に関わらず、海外に本格的に暮らし始めた彼のよい意味で少...
文庫でも出ているのは知っていたが、装丁の美しさでこちらを読む。 文字の大きさも心地よく、上製本にも関わらず軽く、開きやすいスクエアに近いサイズ。 (装画=名嶋憲児 ブックデザイン=守先正) 内容も、読み込むとかなり重い内容に関わらず、海外に本格的に暮らし始めた彼のよい意味で少し浮ついた気持ちと、日本という国を少し遠巻きに眺めていられる状況を楽しんでいるような文体が素直に入ってきた。雑誌の連載をまとめたものということもあり、リアルタイムな状況設定もよい方向に働いているように思う。 『「ヨーロッパの殺害されたユダヤ人のためのメモリアル」』の話は印象的だ。ドイツのレナータ・シュティーとフリーダ・シュノックの、赤いバスのプランはこれこそがアートだと思わされる、目の覚めるようなアイデアだと思った。 最終的には別のプランが採用されたようなので、その案を見に、ベルリンに行きたいと思う。 この雑誌の連載は続いていて、続編もまとめられているようなので読んでみよう。
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