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鏡陥穽
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鏡陥穽

飛鳥部勝則(著者)

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鏡陥穽

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 文藝春秋
発売年月日 2005/07/15
JAN 9784163241104

鏡陥穽

¥2,566

商品レビュー

3.4

8件のお客様レビュー

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2024/07/27

飛鳥部勝則の絶版本、書泉にて再版続々。『堕天使拷問刑』に続き再版されたのは本書、『鏡陥穽』を手に取ってみることに。 設備会社に事務員として勤める麻田葉子は、同僚との飲み会の帰り道、見知らぬ男に襲われるが、抵抗の末、殺害してしまう。レイプ未遂に遭ったこと、(正当防衛とはいえ)殺人...

飛鳥部勝則の絶版本、書泉にて再版続々。『堕天使拷問刑』に続き再版されたのは本書、『鏡陥穽』を手に取ってみることに。 設備会社に事務員として勤める麻田葉子は、同僚との飲み会の帰り道、見知らぬ男に襲われるが、抵抗の末、殺害してしまう。レイプ未遂に遭ったこと、(正当防衛とはいえ)殺人を犯してしまったことを、完璧主義の婚約者に知られ、婚約破棄されることを恐れた葉子は、男の死体を海に捨て、事件を隠滅した。 事件から三日後、友人の結婚式に出席した葉子は、とある男から、海岸の砂浜に打ち上げられた男の死体に関する記事を見せつけられ、殺人について問い詰められる。久遠仙一を名乗るその男は、葉子が殺害した男と瓜二つであった。そして久遠の口から語られる、おぞましき「鏡」の恐怖―――。 「映したものを複製する"鏡"。それは捩じれた人の欲望を映し、増殖させていく―――。」 内容としては、「鏡」を題材としたオーソドックスなホラー作品。シナリオ展開の意外性はそこまでだが、「鏡」によって生み出されたクリーチャー(映画『死霊のしたたり2』のクリーチャー感がある。)や、エログロ描写が素晴らしく、脳内で映像変換するのが非常に楽しい。もう伊藤潤二先生に漫画化してもらいたいくらい。 2段組み340頁程でそれなりのボリュームだったが、『堕天使拷問刑』と同様、テキストが非常に読み易く、先が気になる展開が続くので、あっという間に読み終えることができた。前述のとおり、物語に意外性はなかったが、違和感のないストーリー展開と、身の毛のよだつホラー描写で、十分楽しむことが出来た。先に読んだ『堕天使拷問刑』はイマイチしっくり来なかったので、そこまで期待していなかったが・・・これは嬉しい誤算。

Posted by ブクログ

2024/01/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

復刊版を購入。 リアリズム的な作風に突然呪われた鏡なんて代物が出てくるので違和感があった。 冒頭から超常的な趣きがあればまた違っただろうが。 第2章以降はエロくてグロい展開に。 洋館で凌辱と殺戮を繰り返すのはサドっぽいと思った。営みもそうだが人間(?)の扱いも即物的で共通している。 『美徳の不幸』では被害者は一切声を上げない。あくまで主体の欲望の対象物でしかない。第2章のコピーたちもそんな感じ。 最後の方はとっ散らかった印象。 霊視が都合がよすぎ。 意外な自白があるがただ嫌な気持ちになるだけなのでなくてもよかったような。 『黒と愛』にもあったがこの作者はイっちゃった人間のモノローグが迫力あって読ませる。 『黒と愛』はあんまりだったがこちらも期待したほどでは。 『堕天使拷問刑』がよすぎた。

Posted by ブクログ

2023/10/15

胸糞エログロ、フリークス、エゴイズムと、自身の投影による哲学的思考という一見相反したものを見事に一緒くたにした濃厚な作品。 これは賛否割れそう〜(^▽^;) 鏡だけにね………w 主人公、葉子は、帰宅途中に暴漢に襲われ、正当防衛で殺害してしまう。 彼女は恋人からの婚約解消を...

胸糞エログロ、フリークス、エゴイズムと、自身の投影による哲学的思考という一見相反したものを見事に一緒くたにした濃厚な作品。 これは賛否割れそう〜(^▽^;) 鏡だけにね………w 主人公、葉子は、帰宅途中に暴漢に襲われ、正当防衛で殺害してしまう。 彼女は恋人からの婚約解消を恐れ、遺体を隠蔽する。 後日友人の結婚式で、海に捨てたはずの男がいた—。 私が読んだ飛鳥部作品(6作品)の中でダントツにグロい!! 読む年代によってはトラウマになるのでは…(^_^;) エロも登場人物達の行動が胸糞。 ただ、飛鳥部作品独特の淡々とした物言いに、他のバイオレンス作品のような嫌悪感は沸かないのが不思議だ。 冒頭に絵画を写真が掲載しており、それらがどう物語に絡んでくるのかが魅力。 絵画には、鏡の破片に裸体の女が映り、現実と鏡に映し出されたもう半分が合体している。 「稲垣孝二」という画家が描いたこの絵画にインスパイアされて書いた小説ではないらしい。 飛鳥部氏は、作品に合わせ挿絵を描いたことはないと、あとがきに書かれていた。 大抵の絵と小説は別々である。 すごい。 映し出された自分との対峙による葉子の葛藤が、本作の見どころであると思った。 自分を自分だと証明する術がない事に対する絶望。 客観的に自分を見た時、自分の願望がいかに醜いかという事に対する嫌悪感。 己を見つめ直す作品と言えない事もない。(このグロに耐えられれば笑) 容赦ないグロはどちらかと言うとクトゥルフ系で、苦手な人にはおすすめできない。 だが非現実的なので、ここまで胸糞は逆に爽快。 (バイオレンスの方が現実的で怖い。) 飛鳥部勝則さんは、フリークス系がお好きですね。 私も大好きです♡ 次はどの作品を読もうかな(〃´-`〃)♡

Posted by ブクログ

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