商品詳細
内容紹介 | 内容:ムッシュー・テストと劇場で. 友の手紙. マダム・エミリー・テストの手紙. ムッシュー・テスト航海日誌抄. ムッシュー・テストとの散歩. 対話. ムッシュー・テストの肖像のために. ムッシュー・テストの思想若干. ムッシュー・テストの最期 |
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販売会社/発売会社 | 岩波書店/ |
発売年月日 | 2004/04/16 |
JAN | 9784003256039 |
- 書籍
- 文庫
ムッシュー・テスト
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ムッシュー・テスト
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商品レビュー
3.2
16件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
自分自身とはこの自分だけを見つめていてもわかるものではなく、他者との関係性の中、具体的には他者との語らいや交流によって見えてくるものとぼくは思う。その意味でぼくはテスト氏に共感できず、むしろどこかよそよそしささえ感じる。だが、その「よそよそしさ」が同時に生々しくアクチュアルなものであり無視できないのはそんな感じで「自己」としか呼びようのないものが自分の中にあるという感触(そしてそれはどれだけ明察・分析を極めてもついに見極められないという絶望)が確実にあるからだ。実に明晰な文体がそうした自意識の不幸を伝える
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津村の読み直し世界文学の1冊。タイトルもわかりにくいが、内容も分かりにくい。解説を読んでもわかりにくい。これをどのように学生に薦めることが出来るか迷う。
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詩人の残したただ一冊の連作小説ですね。 作家の向かい合わせにしたようなムッシュー・テストを観察する文体で綴られています。 ヴァレリーは自身の内面的危機から内省的断片を書き連ねた一冊の帳面(カイエ)に帰結する。生涯に二万数千ページにもおよぶ神話的な(カイエ)から導きだされた小説との...
詩人の残したただ一冊の連作小説ですね。 作家の向かい合わせにしたようなムッシュー・テストを観察する文体で綴られています。 ヴァレリーは自身の内面的危機から内省的断片を書き連ねた一冊の帳面(カイエ)に帰結する。生涯に二万数千ページにもおよぶ神話的な(カイエ)から導きだされた小説との事でした。 詩人の詩人としての成功とは裏腹に、模索する内省のゆえに、難解な内容に成っています。とは言うものの訳者さんが苦心して読みやすく、訳注と解説がしっかりしているので、ヴァレリーと対話しているかのように読み進めました。 哲学的でもあり、詩的でもあり、恣意的な文章、会話、様々な断編の構成ですが、語られている事から得られるものは読み手しだいなのかな。
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