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こうちゃん
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こうちゃん

須賀敦子(著者), 酒井駒子

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こうちゃん

1,760

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 河出書房新社/
発売年月日 2004/03/30
JAN 9784309016214

こうちゃん

¥1,760

商品レビュー

4

27件のお客様レビュー

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2024/07/19

読み進めていくうちに、読者である私とこうちゃんの距離が縮まっていくような気がする不思議な感覚。 なぜか懐かしさを感じてちょっと泣きたくなる。

Posted by ブクログ

2022/09/20

本書は、1960年12月、『どんぐりのたわごと』第7号で初出された、須賀敦子さんの文に、酒井駒子さんが画を付けた作品で、四季折々の様々な場所に現れる、「こうちゃん」という、ほんの小さな子どもでも、何か惹き付けられる存在感と、おそらく、こうちゃんを待ち続けている、どこか不安そうな、...

本書は、1960年12月、『どんぐりのたわごと』第7号で初出された、須賀敦子さんの文に、酒井駒子さんが画を付けた作品で、四季折々の様々な場所に現れる、「こうちゃん」という、ほんの小さな子どもでも、何か惹き付けられる存在感と、おそらく、こうちゃんを待ち続けている、どこか不安そうな、「わたし」や「わたしたち」の存在感とを、照らし合わせて、描いているように感じられました。 こうちゃんの居るところは様々で、それらの描写はまるで、これまでわたしたちが知らなかった、素敵な場所を教えてくれるようでもあり、哀しくやり切れない場所に、佇んでいるようでもあり、わたしたちの心を、ポッと明るく灯してくれるようでもあり、彼(彼女)が何かを求めたがっているようでもあって、読んでいく内に、わたしたちが日常を生きていく中で、見えるか見えないか分からないけれど、その存在感を意識することによって、世界の見え方が、ちょっと変わることを教えてくれてるのかなと、感じました。 しかし、終盤に訪れる、あるモノローグによって、また違う思いも浮かんできて、これを読むと、最初に書かれていた、こうちゃんが太い鉄のくさりをひきずって歩いて行く、描写が、別の意味にも感じられてきて、もしかしたら、教えてあげてるのかな、なんて。 ただ、色々書きましたが、私の中では、未だ霧の中を彷徨っている感覚もありまして、何か、不思議なんですよね。単に、楽しいとか、哀しいとか、綺麗だとか、愛おしいとかではない、もっと複雑で繊細で大切なものが、潜んでいるような気もしてきて。 そんな感覚にさせるのも、須賀さんの、見えない部分に訴えかけてくるような、柔らかい文と、酒井駒子さんの、渋めで少し抑えた色合いに、どこか儚さや心細さを感じ、思わず胸が締め付けられるような、繊細で美しい画が、見事に合っているからだと思い(酒井さんの背景に重ねて書かれた、須賀さんの文章も印象深い)、私がこれまで見てきた、酒井さんの画の中では、いちばん好きな画風でしたし、須賀さんの他の作品も、読みたくなりました。

Posted by ブクログ

2019/02/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

須賀敦子さんと酒井駒子さんという,私にとって夢のような組み合わせ。思ったとおり,端正な文章と,愛らしい中にも静けさのある絵がぴったりで,世界に引き込まれてしまった。 こうちゃんは,誰なんだろう。何なんだろう,と考えて,自分の中に残る子供の頃の心なのか,なれなかった私なのか,影(ユング心理学でいうところの)なのか,などと思ってみたけど,もはやそういう追及をするのは野暮だな,と。 22の哲学者の話がとても好きで,言葉や理論で納得するのではないところで感じる,ちくっとする感じ,それを大事にしたいと思いました。 「こうちゃん」を読む直前,須賀敦子さんが,生涯の最後に書こうとして書けなかった小説がある,ということを知り,とても残念に思っていた。でも,「こうちゃん」というエッセイではない物語が,ごく初期に書かれていたことで,なんだか救われたような気がした。

Posted by ブクログ

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