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ホロコースト全証言 ナチ虐殺戦の全体像
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ホロコースト全証言 ナチ虐殺戦の全体像

グイド・クノップ(著者), 高木玲(訳者), 藤島淳一(訳者)

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ホロコースト全証言 ナチ虐殺戦の全体像

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 原書房
発売年月日 2004/02/10
JAN 9784562037261

ホロコースト全証言

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2023/09/19

 この本で当時の事を語っているドイツ軍の将校は赤軍の捕虜になってから「自由ドイツ」国民委員会の副会長になったハインリヒ・フォン・アインジーデル伯爵、「ヒトラーの戦士たち」にあるように第11軍司令官エーリヒ・フォン・マンシュタインのふがいなさに嫌気がさしたらしく、この本には白バラ運...

 この本で当時の事を語っているドイツ軍の将校は赤軍の捕虜になってから「自由ドイツ」国民委員会の副会長になったハインリヒ・フォン・アインジーデル伯爵、「ヒトラーの戦士たち」にあるように第11軍司令官エーリヒ・フォン・マンシュタインのふがいなさに嫌気がさしたらしく、この本には白バラ運動のビラを配布したとあるウルリヒ・グンツェルト中尉、そして7月20日事件の関係者であるフィリップ・フォン・ベーゼラーガー男爵といった「零時」前から距離を置いていた人が目につく。そういう人でないと語らないのだろうか?  「ヒトラーの戦士たち」でエーリヒ・フォン・マンシュタインを取り上げた際に彼が第11軍司令官としてユダヤ人の虐殺を命令した事は一応触れていても扱いが軽いのは彼の子ども達に取材しているからだろうが、この本では「ライヒェナウ指令」で悪名高いヴァルター・フォン・ライヒェナウ元帥だけが言及されている。「親ナチの元帥」フォン・ライヒェナウの義理の妹はユダヤ人を匿っていたマリア・フォン・マルツァーン伯爵夫人なので単純ではない。  同じ原書房から回想録の邦訳が出ていたアニタ・ラスカー-ウォルフィッシュの回想が多用されているが、初版では彼女を「ドイツ人」と罵倒していたらしく邦訳が出た時点ではラスカー姉妹はブレスラウ出身なのに「ドレスデン出身」の仮名の人物にしていたファニア・フェヌロンの回想も引用しているのはおかしな感じ。フェヌロンを「編曲が出来るがハスキーな声のシャンソン歌手で、ポーランド人を反ユダヤ主義者と見て、フランス語を出来る人間しか評価しない女」と酷評した本があるが、イルマ・グレーゼからベルゲン・ベルゼンに英軍が来た事を親切にも伝えてくれたというので実は密告者なのかもしれない。シャンソン歌手がアルマ・ロゼの囚人オーケストラにいるのは不自然なので、編曲とドイツ語が出来るので配属されたのだろうか?  ベルリンで匿われたハンス・ローゼンタールというクイズ解答者はコーネリアス・ライアンの「ヒトラー最後の戦闘」や「ドイツにおけるユダヤ人の歴史」で言及される人か?ドイツでは有名なので「アーリア人」に匿われたユダヤ人の例として挙げられているのだろう。長い間、ドイツとは絶縁していたアニタ・ラスカー-ウォルフィッシュの友人で「せめて一時間だけでも」の語り手のコンラート・ラッテのように「零時」のあとのドイツで経歴を積んでいたのは同じだ。

Posted by ブクログ

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