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狐媚記 ホラー・ドラコニア少女小説集成4
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狐媚記 ホラー・ドラコニア少女小説集成4

澁澤龍彦(著者), 鴻池朋子

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狐媚記 ホラー・ドラコニア少女小説集成4

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 平凡社
発売年月日 2004/03/25
JAN 9784582832167

狐媚記

¥1,980

商品レビュー

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2016/06/10
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ホラー・ドラコニア少女小説集成・巻の4は澁澤龍彦の創作した短編小説。「こびき」と読むらしい。お話は 北の方が狐の子を産みおとしてしまったという事実の知れわたったとき、左少将の屋敷内のものはことごとく茫然自失して、発すべきことばもなかった。 の一文から始まる。「狐」に魅入られた人々の話である。 詳しくは書かれていないが、戦国時代の日本。守護大名・左少将とその奥方・月子、ふたりの間に生まれた嫡男・星丸、これが主要人物。第四の重要な存在は「生まれてしまった」狐である。 この事実をめぐって、人々のこれまでの関係がいびつに歪んでいく。これは降ってわいた災難…であったのか? 物語が進むにつれ、謎があきらかになってゆく。 ちょうど昨日はるほんさんが書評されていた芥川龍之介の「藪の中」のような心理劇をはらみつつ、物語は艶かしく幻想的な結末に落ち着きどころを見つける。 古風な言葉と(「まれにみる可憐児であった。」とか)衒学的な言葉(「埒もないスコラ的な論議に熱中しはじめていた。」など)が特有の雰囲気をかもしていて、読むのが楽しい。 澁澤龍彦の小説とコラボレーションを今回試みるのは現代作家の鴻池朋子。 「Knifer Life」のシリーズ数点と既存の作品に加えて、描き下ろしもある。 表紙の絵が「Knifer Life」なのだが、狐たちと子供の脚をとりかこんだ竜巻のようなものは、小さな剣の大群からなっている。 呪法が描かれる小説を暗示する表紙になっている…のだと思う。というか編集者がこの作品を見て、「狐媚記」を連想したのだろう。 扉に使われた絵。鉛筆でしあげられた、目尻のつりあがった大きな瞳をもつ子供の顔が印象的だ。 ふさふさとした眉毛とひき結んだ小さな赤い唇。肌の表面をおおう短い描線が動物の毛並みを思わせる。 本作の結末に感じた循環・胎動のイメージにふさわしい、生々しく温度を持った絵だと思った。 そして例のごとく“あとがきにかえて”澁澤の評論「存在の不安」が同時収録されている。 「心理学」とかプラトンの「神によって分離される前、人間は球体の両性具有者であった」という逸話とかを駆使して、男女が互いに求め合う無意識の根底にあるものをあぶりだそうとしているのだが…どうもしっくりこない。 だいたいこれでは、「男女」のカップルしか説明がつかないではないか…なんて直球のいちゃもんは愚の骨頂なのだろうか。 そう感じたのは「存在の不安」というテーマの答えにより近い場面が、自分の中に既にあったからかもしれない。 それは佐藤史生のSF漫画作品「星の丘より」。 ストーリーは、とある惑星を統べる王家の産室から始まる。 長く待ち望まれた王の世継ぎが誕生した。 しかしその子はテレパシー能力を持たぬミュータントであった。 テレパシーのお陰で過不足なく過ごせる正常人の乳母は、赤ん坊がなぜ泣くのか分からない。 「どうしてこんなに お泣きになりますの?」 「不安なのだよ テレパシーがないということは。  孤立無縁ということだ。父母のいつくしみも仲間のはげましもとどかない。  ひとりひとりがばらばらに切りはなされ みな孤独なのだ」 男と女、男と男、女と女、大人と大人、大人と子供、子供と子供… 私たちは別々の容れ物に捕われた孤独な魂だ。

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2014/08/22

狐玉となる不可思議 解説には狐玉と緬鈴が同じものと書かれている。 どうして? 雌の腹の中に留まり育つということのみでか?

Posted by ブクログ

2013/07/21

茶吉尼天の修法に凝る左少将の北の方が産み落とした第二子は、狐の子だった。それはすぐに殺されたが、以来北の方はあやかしと親しむようになってゆく。 時がたち、成長した左少将と北の方の嫡男・星丸はある夜、悪党にいたぶられていた少女を助けた。 星丸は少女の色香に狂うが、少女の正体はかつ...

茶吉尼天の修法に凝る左少将の北の方が産み落とした第二子は、狐の子だった。それはすぐに殺されたが、以来北の方はあやかしと親しむようになってゆく。 時がたち、成長した左少将と北の方の嫡男・星丸はある夜、悪党にいたぶられていた少女を助けた。 星丸は少女の色香に狂うが、少女の正体はかつて北の方の腹から狐の子として生まれ、間引きされたはずの妹だった──。 澁澤龍彦 ホラー・ドラコニア少女小説集成第肆巻のホラーファンタジー。巻末収録のエッセイは「存在の不安」。表紙絵・挿絵は鴻池朋子氏。

Posted by ブクログ

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