商品詳細
内容紹介 | 内容:厄除け詩集. 拾遺詩篇. 付録:土井浦二名作品 |
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販売会社/発売会社 | 岩波書店/ |
発売年月日 | 2004/07/16 |
JAN | 9784003107744 |
- 書籍
- 文庫
井伏鱒二全詩集
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井伏鱒二全詩集
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「ハナニアラシノタト…
「ハナニアラシノタトエモアルゾ 「サヨナラ」ダケガ人生ダ」でおなじみの勧酒だけが素晴らしい詩ではありません。飄々としたユーモア、そこはかとない寂しさは小説同様の素晴らしさ。
文庫OFF
好きな詩 『春暁』『聞雁』『田家春望』『紙凧』『泉』。 特に好きな詩の抜粋 『田家春望』p.56 ウチヲデテミリヤアテドモナイガ 正月キブンガドコニモミエタ トコロガ会ヒタイヒトモナク アサガヤアタリデ大ザケノンダ 『勧酒』p.59 コノサカヅキヲ受ケテクレ ドウゾナミナミツガ...
好きな詩 『春暁』『聞雁』『田家春望』『紙凧』『泉』。 特に好きな詩の抜粋 『田家春望』p.56 ウチヲデテミリヤアテドモナイガ 正月キブンガドコニモミエタ トコロガ会ヒタイヒトモナク アサガヤアタリデ大ザケノンダ 『勧酒』p.59 コノサカヅキヲ受ケテクレ ドウゾナミナミツガシテオクレ ハナニアラシノタトヘモアルゾ 「サヨナラ」ダケガ人生ダ 『花に嵐のたとえもあるぞ「サヨナラ」だけが人生だ』は、何度考えても自分なりの解釈が思いつかない。しかし、つい口ずさみたくなるお気に入りの詩。 岩波文庫3/100冊目。次は、『黒猫・モルグ街の殺人事件 他五篇』を読む。
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井伏鱒二という「詩人」の全貌がやっと身近なものになった。私は彼の詩の一部しか知らなかった。今回の詩集は今まで一番充実していた「全集」のそれよりも「拾遺詩篇」19篇が付き、まさに「決定版」になっている。彼の詩は一言で言うと「個性の塊」である。そして一方では「柔らかい日本語」なのだ。...
井伏鱒二という「詩人」の全貌がやっと身近なものになった。私は彼の詩の一部しか知らなかった。今回の詩集は今まで一番充実していた「全集」のそれよりも「拾遺詩篇」19篇が付き、まさに「決定版」になっている。彼の詩は一言で言うと「個性の塊」である。そして一方では「柔らかい日本語」なのだ。そして時々「どきりとする表現」があり、時々「謎な表現」がある。 例えば「逸題」。「今宵は中秋名月/初恋を偲ぶ夜/われら万障繰りあわせ/よしの屋で独り酒をのむ 春さんたこのぶつ切りをくれえ/それも塩でくれえ…」この見事なリズム感、見事な庶民性。そしてなぜ「われら」が「独り」なのかという謎。 また訳詩という作業において、井伏はまだ誰も追いこしていない換骨奪胎の偉業を成し遂げている。「ハナニアラシノタトエモアルゾ/「サヨナラ」ダケガ人生ダ」干武陵の「勧酒」を見事に訳したこれだけではない。「ドコモカシコモイクサノサカリ/オレガ在所ハイマドウヂヤヤラ/ムカシ帰ツタトキニサヘ/ズヰブン馴染ガウタレタソウダ」(杜甫「復愁」)今回彼の詩を全部読んで気づいたのはその詩の中に庶民から見た戦争の影がどうしようもなくまとわりついているということだ。これは井伏でしか書けなかった詩であり、もう現代では誰も書けない詩である。そういう目で見ると「つくだ煮の小魚」も「顎」も「春宵」も突然いなくなった者たちへのもの哀しくオカシイ鎮魂歌の様にも思える。のは私だけだろうか。 2004年12月8日読了
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