商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 中央公論新社/ |
発売年月日 | 2003/03/25 |
JAN | 9784122041851 |
- 書籍
- 文庫
隋の煬帝
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隋の煬帝
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商品レビュー
4.2
9件のお客様レビュー
今までの煬帝バッシン…
今までの煬帝バッシングは一人の人間に時代の病理を負わせてカタルシスをえようとする卑怯な責任転嫁である。煬帝を凡人と説く著者はそのような自己責任主義を拒否していると考えていいだろう。煬帝の暴政は彼の資質の問題ではなく、父文帝、いやそれ以前からの時代の収斂であるのだ。歴史に働く個人の...
今までの煬帝バッシングは一人の人間に時代の病理を負わせてカタルシスをえようとする卑怯な責任転嫁である。煬帝を凡人と説く著者はそのような自己責任主義を拒否していると考えていいだろう。煬帝の暴政は彼の資質の問題ではなく、父文帝、いやそれ以前からの時代の収斂であるのだ。歴史に働く個人の役割と問うのは難しい問題だが、個人の中にはその時代が息づいていると考えるのが当然の前提となるべきだろう。
文庫OFF
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
「凡庸な君主ほど、大きな過失を犯しやすいのである。だから淫乱暴虐な天子は、その当時、他にも数えきれぬほど多く出たのであって、いわばそれが時代の風潮であった」 煬帝は隋を崩壊させた暴君として語られがちですが、事はそう単純ではありません。なぜ煬帝が暴君のような振る舞いをしたのかというのも時代背景が大きく関係していました。さらに、上の言葉にありますように「凡庸な君主ほど、大きな過失を犯しやすい」というのも強烈です。私達は暴君といえばその人自身に問題がある異常な存在のように思ってしまいがちですが、実は凡庸な普通の人間だからこそ特殊な環境に置かれるとそうなってしまうということが本書では明らかにされます。 暴君と呼ばれがちな煬帝ですが、なぜ彼はそのようになってしまったのか。そして彼が単なる暴君ではなく、巨大な仕事も成し遂げたのではないかということも解説されていきます。もちろん、本書は「煬帝が実は善い人間だった」という単なる擁護論ではありません。そうではなく、一方的に暴君とレッテルを張りそこでストップするのではなく、実際はどうだったのかということを見ていく一冊です。これは名著間違いなしです。
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煬帝だけでなく、父の文帝や前の時代の南北朝時代についても詳細に記述され、煬帝の生きた時代、煬帝の生き様に与えた影響など、とてもわかり易く丁寧に、また時にはユーモアも交えた筆致で書かれていて、興味深い。
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