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故郷 岩波文庫
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 岩波書店/ |
| 発売年月日 | 2003/06/13 |
| JAN | 9784003271414 |
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故郷
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商品レビュー
3.6
6件のお客様レビュー
執筆は1939年。刊行は41年。イタリアではファシズムの嵐が吹き荒れていた。第二次世界大戦も始まっていた。その時代に書かれたパヴェーゼの名作。 『美しい夏』もそうだが、始まりが印象的だ。刑務所を出て、トリーノ中央駅に向かって大通りを歩く「ぼく」。それにつきまとってくる同じく出所者...
執筆は1939年。刊行は41年。イタリアではファシズムの嵐が吹き荒れていた。第二次世界大戦も始まっていた。その時代に書かれたパヴェーゼの名作。 『美しい夏』もそうだが、始まりが印象的だ。刑務所を出て、トリーノ中央駅に向かって大通りを歩く「ぼく」。それにつきまとってくる同じく出所者のタリーノ。 乾いた文章。北イタリアの田舎の情景の描写、ジゼッラとの恋の駆け引き、その描写が秀逸。もちろん、ストーリー展開も。ただ、ところどころ、引用符のない直接話法で書かれているために(イタリア風でなく、アメリカ風か)、だれがなにを言っているか、注意して読む必要がある。 原題は“Paesi tuoi”、『きみの故郷』。訳者の解釈とは異なり、ジゼッラの故郷のことだと思うのだが。
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- ネタバレ
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主人公「僕」が、粗野な青年・タリーノ(放火の嫌疑)と共に警察管理から放たれ、タリーノの父親・ヴィンヴェッラ老人の麦扱きの仕事を手伝う、3日間の出来事が主な場面である。 「僕」はタリーノの妹のうち、ただ一人上品な、ジゼッラと親しくなる。しかしタリーノが諍いでジゼッラを、三つ又で殺してしまい、終幕となる。 固陋な田舎を描き、イタリアの文学運動、ネオ・レアリズモの出発とされる。 僕も田舎在住だから、田舎の貧しさと固陋さは、わかるつもりである。また多くの人が、田舎住まいか田舎出身で、思い当たる所はあるだろう。 「流刑」でもそうだったが、すぐ主人公が色恋に染まるのは、なぜだろう。1時の村上春樹みたいだ。
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どこか馴染みがある様な、けど決して哀愁を感じる程ではない文体が終始印象に残っているのだが、解説を読んで納得。訳者自信も辛苦しつつ訳された文章はネオレアリズモ文学の源流に位置するものであり、それは意識的に文学以前の地を再興しようとする、時代に対する抵抗運動だったのだ。パヴェーゼの描...
どこか馴染みがある様な、けど決して哀愁を感じる程ではない文体が終始印象に残っているのだが、解説を読んで納得。訳者自信も辛苦しつつ訳された文章はネオレアリズモ文学の源流に位置するものであり、それは意識的に文学以前の地を再興しようとする、時代に対する抵抗運動だったのだ。パヴェーゼの描く北イタリアの田舎は連帯と裏切りが心地悪げに共存し、性と暴力の強迫観念は風景と同化することで欲動を喚起するが、蟋蟀の鳴き声は内省と叙情を呼び戻す。最後まで残るこの居心地の悪さというのは、この地が私の故郷ではない「故郷」が故なのか。
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