商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 岩波書店/ |
発売年月日 | 2003/01/15 |
JAN | 9784003109212 |
- 書籍
- 文庫
日本唱歌集
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日本唱歌集
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商品レビュー
3.5
5件のお客様レビュー
古書店で購入。…というか、現行品がまだあると知らなかった! 私が買ったのは昭和42年(1967)2月10日発行第12刷で、何とスピン(しおりになるヒモ)がついてる。調べてみたら岩波文庫は昭和45年(1970)にスピンを廃止したそうだ。私が文庫本を読むようになった頃には既について無...
古書店で購入。…というか、現行品がまだあると知らなかった! 私が買ったのは昭和42年(1967)2月10日発行第12刷で、何とスピン(しおりになるヒモ)がついてる。調べてみたら岩波文庫は昭和45年(1970)にスピンを廃止したそうだ。私が文庫本を読むようになった頃には既について無くて、 『スピンがあるのは新潮文庫だけ』 という読書好きの共通認識が出来上がっていた気がする。 内容は明治以降の音楽教育で使われた『唱歌』を発表順に並べたもの。「うさぎ」や「花」など現在でも当たり前のように使われる曲もあれば、時代の流れに押し流され、消えてしまった曲も多い。 個人的には明治17年(1884年)3月と早くに発行された「あおげば尊し」が多くの学校で歌われなくなっているのが残念。いいメロディなのに。もったいない。"歌詞が旧くて今の子どもには意味が分からない"というのがよく言われる理由だ。確かに歌詞の世界観が、現代には合致しなくなったのは事実。ただ、"歌詞が旧い"という理由は昔から納得いかない。だって、「故郷」だって「荒城の月」だって旧い。そもそも『古文•漢文などを学習する理由を否定することになる』と、ず〜っと思ってました。 …ちなみに、今の学校の卒業式には「旅立ちの日に」という素晴らし過ぎるほど良い曲があるので、そんなに強いこだわりがある訳ではありません。あしからず。
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今日,お茶屋さんの前を通ったら「今日は八十八夜です.おいしいお茶を飲みましょう」という張り紙がしてあった.家に帰って,その話をして「茶摘」を歌うと,「そんな歌知らない」と子供たちが言う.いつの間にか唱歌の伝統は断絶していたのであった.久しぶりにこの本を開いてみると,「茶摘」は明治...
今日,お茶屋さんの前を通ったら「今日は八十八夜です.おいしいお茶を飲みましょう」という張り紙がしてあった.家に帰って,その話をして「茶摘」を歌うと,「そんな歌知らない」と子供たちが言う.いつの間にか唱歌の伝統は断絶していたのであった.久しぶりにこの本を開いてみると,「茶摘」は明治45年に初出.それから100年たって,私の中にまだ生きている.
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明治・大正・昭和(戦前まで)の唱歌のうち、約150篇を収録。ここでいう「唱歌」とは、「楽器に合わせて歌曲を正しく歌い、徳性の涵養情操の陶冶を目的とする教科目」および「その教科において用いられる楽曲」のこと。ひらたく言うと、明治維新に伴って新しい学校制度が導入されたとき、「これから...
明治・大正・昭和(戦前まで)の唱歌のうち、約150篇を収録。ここでいう「唱歌」とは、「楽器に合わせて歌曲を正しく歌い、徳性の涵養情操の陶冶を目的とする教科目」および「その教科において用いられる楽曲」のこと。ひらたく言うと、明治維新に伴って新しい学校制度が導入されたとき、「これからの日本に必要なのは世界的競争力、グローバルな人材だ。そのためには、早期から西洋の学問や文化に触れて、これを身につけなければならない」という空気の中、子供に洋楽の素養を身につけさせるために、学校で用いられた歌曲のことを指す。 だから、平成の私たちの感覚からすると少し意外だが、少数の日本民謡やわらべうたを除いて、日本唱歌とは基本的に洋楽なのである。例を挙げると、「蛍の光」「あおげば尊し」「故郷の空」はスコットランド民謡、「蝶々」はスペイン民謡、「庭の千草」はアイルランド民謡、「旅愁」はアメリカのオードウェイ作曲の歌を、それぞれ原曲としている。時代を経ると、洋楽を学んだ邦人による作曲が主流になってきて、滝廉太郎の「花」「荒城の月」「箱根八里」「お正月」などは特に有名である。 もちろん歌詞は日本語だが、「和魂洋才」のスローガンを掲げて創作されただけあって、特に明治時代の作詞者には、今となっては信じがたいほどのビッグネームが多い。佐佐木信綱(歌人・国文学者。代表作「夏は来ぬ」)、武島羽衣(詩人・国文学者。代表作「花」)、土井晩翠(詩人・英文学者。代表作「荒城の月」)、等々。いわゆる文部省唱歌として創られるようになってからは作者名は公表されなくなったが、「朧月夜」「故郷」「冬景色」など、メロディなしでも一篇の詩として成立しうる美しい歌詞が多いのは、明治時代から変わらない。 現在、音楽の教科書から「唱歌」は消えつつあるという噂を聞く。その真偽のほどは知らないが、「古臭い」「子供ウケが悪い」という理由で忘れ去ってしまうには、あまりに惜しい近代日本の遺産である。かくいう私も、本書に掲載されている曲の中で歌えるものは少ししかないのだが、わずかなりともこの美しい水脈を、後の世代に伝えてゆきたいものだと思う。
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