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陸軍省軍務局史(上巻)
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陸軍省軍務局史(上巻)
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陸軍経理学校卒、陸軍省勤務経歴を持つ著者が、陸軍省の中核たる軍務局について、その形成過程・歴史的意義・活動状況等を描出したもの。全2巻中の上巻。細かく資料を示している点は好感が持てる。他方、著者は山県有朋や、田中義一を高く評価しているようである。しかし、彼ら、特に田中が国際政治・外交の要諦を知らなかったことが本書で露呈されている印象がある。まず、①第二次西園寺内閣以降の2個師団増設要求問題につき、田中がこれを積極的に進めた理由は、下級将校の働く場の確保にあり、これは陸軍の組織防衛に堕したものだった。 次に、②国防方針策定にあたり、田中は「国是は終始一貫…行政の変動…にて(作戦方針・国防方針の)変化すべきものにあらざる」とし、国際情勢が時々刻々変遷し、臨機応変・朝令暮改的な対応が求められる場合もある、という認識に欠けていたのである。田中はいわば近視眼的軍人であったことが明らかなわけである。このような人物を礼賛しているのはやや理解に苦しむ。むしろ、浜口内閣の頃、宇垣軍縮をまとめ上げた宇垣一成の方が、財政・外交に目配せの聞く人物と思える。
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