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地図のない道 新潮文庫
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地図のない道 新潮文庫

須賀敦子(著者)

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地図のない道 新潮文庫

473

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 新潮社
発売年月日 2002/07/30
JAN 9784101392226

地図のない道

¥473

商品レビュー

4.2

30件のお客様レビュー

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2026/01/31

 イタリアに行ってみたい気持ちがあったので、エッセイを、と手に取った。高い文章力とうつくしい描写で、目の前に著者が体験したイタリアが生々しく立ち現れる。イタリアの闇を感じさせるシーンもあり、どんな国にもその国の暗い歴史があり、その上で今を生きているんだと考えさせられた。

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2025/12/27

須賀敦子の文章は、いつも人々の哀しみに寄り添っている。 僕はそこに吸い寄せられてしまう。 影を描くことで、人々の肖像が立体的に立ち上がって来る。 須賀のエッセイの登場人物たちは、みな声や匂いや熱を持ち、それぞれの悲惨を生きているのだ。 須賀は小説を残さなかったが、彼女のエッセイは...

須賀敦子の文章は、いつも人々の哀しみに寄り添っている。 僕はそこに吸い寄せられてしまう。 影を描くことで、人々の肖像が立体的に立ち上がって来る。 須賀のエッセイの登場人物たちは、みな声や匂いや熱を持ち、それぞれの悲惨を生きているのだ。 須賀は小説を残さなかったが、彼女のエッセイは素晴らしい小説を読んだときに匹敵する悦びと癒しを与えてくれる。 須賀の作品は、必ずやコンプリートしたい。 ◯ 「地図のない道」: もちろん、ミラノやヴェネツィアでの話題もあるのだが、今回一番心に残ったのは、祖母にまつわるエピソードだった。/ 【聞き取れないほどの声だった。夕陽がひろい窓いっぱいに入ってくる部屋の食卓で、祖母はまるで小さい子がともだちに秘密をうちあけるように、私の顔に口を近づけ、細い、ためいきに似た声で一気にいった。 こんれいやいうのに、わたしはにもつもって、りんりきにのったをばさんのうしろあるいて。どうとんぼりから、こうらいばしまで。 え、と私は聞きなおした。祖母はまるで詩を暗誦するみたいに、もういちど繰り返した。こんれいやいうのに‥‥‥ ─中略─ 自分の婚礼の日というのに、道頓堀から心斎橋を通って船場の高麗橋まで、荷物を持って歩かされた。人力車に乗った伯母さんが先に行くあとから。 私が着いて三日後、夕日のあたる食卓で遠い記憶を手でまさぐるようにして婚礼の日の悔しかった話をしてくれたのが、八十二歳の祖母に正気が残っていた最後だった。】/ 【(前略)私は、ふと祖母の大阪を歩いてみたくなった。 ─中略─ 心斎橋に近い御堂筋沿いのホテルを出た私の足は、ごく自然に北にむかっていた。淀屋橋に出ると、(略)肥後橋から堂島川まで行ってみることにした。 川風はまだつめたかった。土佐堀川の土手を肥後橋の方向に、風にさからって、背をこごめて、私は歩いた。 ─中略─ 『天の網島』が書かれた当時の地図を見ると、堂島は、(略)小さいけれど正真正銘の島だった。小春が年季をつとめていた曾根崎新地は、その島の北側にあった。(略) ちょうど、ここから天満橋まで歩けば、ほぼ、あの夜、小春が歩いた道のりになる。 祖母と『天の網島』がいつのまにか私のなかで重なっていた。】/ いつか、母が育った秋田の街を歩いてみたい。/ ◯「ザッテレの河岸で」: あるとき目にした一つの不可解な言葉。その言葉の謎に捉えらて執拗に探求を始める須賀。ミステリーのような強い吸引力でページを繰らせるエッセイ。/ 【橋のすぐ手前の、バラだろうか、蔦のからまった低い煉瓦塀に、細い水路の名が書かれてあるのが目にとまって、私を足をとめた。 (略)リオ デリ インクラビリ。 リオはいい。だが、そのあとにつづくincurabiliという標記が私の足をとめたのだった。インクラビリ。治癒のあてのない、もう手のつくしようがない病人を意味する言葉なのだが、最初それを見たとき、私はおもわず笑ってしまった。なおる見込みのない人たちの水路。(略)だが、(略)インクラビリという、冗談では済ませられない言葉の重さが、胸を衝いた。】

Posted by ブクログ

2024/07/19

解説で幸田文に触れられていたが、確かに幸田文の読後感と同種の心地よい読後感に満たされる。 知性というか人間性というか、なにか他の人の文章では得られない気づきと丸み。

Posted by ブクログ

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