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きつねのルナール 世界傑作童話シリーズ
1,430円
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 福音館書店/ |
発売年月日 | 2002/07/20 |
JAN | 9784834018509 |
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きつねのルナール
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きつねのルナール
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商品レビュー
3.3
5件のお客様レビュー
「赤毛のあいつがやってくる!中世フランスの野に森にふさふさしっぽをなびかせて風といっしょに駆けていくすばしっこくてわるいやつ。頭を使って体を張ってころんでもただでは起きないぞ!小学校中級以上。」
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「ショヴォー」という名をおぼえて、図書館の蔵書検索をあれこれしてみるが、近所の図書館にあるのはショヴォー氏とルノー君のお話シリーズのほかに、2冊だけ(しかも1冊は、版違いのポポタム話)。 なので、ポポタムではないほうの『きつねのルナール』を借りてみた。検索したときから「山脇百合...
「ショヴォー」という名をおぼえて、図書館の蔵書検索をあれこれしてみるが、近所の図書館にあるのはショヴォー氏とルノー君のお話シリーズのほかに、2冊だけ(しかも1冊は、版違いのポポタム話)。 なので、ポポタムではないほうの『きつねのルナール』を借りてみた。検索したときから「山脇百合子/訳・絵」というのは見ていたが、果たして本を読んでみると、主役はきつねのルナールながら、少々おつむの足りないオオカミが出てきて、そのオオカミが犬に追われて逃げてみたり、こてんぱんにやられてのびてる絵などをみると、『いやいやえん』のあのオオカミを思い出すのであった(山脇百合子の絵をみると、『いやいやえん』か『もりのへなそうる』と思ってしまう私のアタマは、三つ子の魂百までというやつなのだろう)。 中世フランス(12世紀後半~13世紀の中頃)で、多くの書き手によって、狐のルナールを主人公としてつくりあげられた三十数編の《狐物語》は、現代語訳や翻案、絵本、ダイジェスト版など多様なかたちで流布している。この『きつねのルナール』は、レオポルド・ショヴォーがみずから挿絵をつけて編みなおした『狐物語〈子ども版〉』から、22編のテキストを選び、山脇百合子が訳して絵をつけたもの、である。 12世紀後半に人気を博したという《狐物語》が、どれくらいもてはやされたかは、「主人公の狐の名前である「ルナール」が、本来「狐」という動物を意味していた言葉を追い出して、それに取って代わってしまった事実」(p.238)からも想像できると、巻末の解説には書かれている(ネットで引いてみたところ、ルナールはrenard、かつて狐をあらわした語はgoupilだという)。 赤毛のきつね、ルナールが、あっちやこっちでやり放題。うまいことウソをつき、言い逃れるのは朝飯前。オオカミもからすも山猫も、ルナールのおかげでひどい目にあい、お百姓さんやお坊さんも、ルナールにしてやられる。ルナールも、腹ぺこでさまよい、何かを口に入れようとドジをふみ、ずだぼろになることもあるけれど、それ以上のお返しをかますところが、やはりルナール。 訳では、ルナールが妻のエルムリーヌに「おおきにありがとう」と礼を言うところがあって(183ページ)、山脇百合子は関西人か?と奥付をみてみたが、東京生まれらしい。関西風味のルナールことばが出てきたのはここくらいで、どうしてここで急に「おおきにありがとう」なのであろうか?と思う。 昔、こんな話を聞いた気がするなーというようなエピソードもあって、ひどい話だけれど、おもしろかった。岩波文庫にも『狐物語』があるというので、それも読んでみたい。 (10/11了)
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レオポルド・ショヴォーによる狐物語の再話に山脇百合子が訳して絵をつけた。なんて嬉しい組み合わせ! 子供の頃に詩の形で読んだ時は「わるものばっかりだな」と思った気がする。 今この本で読むと、ひもじさの中でみんなが必死で生きている市井の人の話だ。 最初の、アダムとイブの話からしてシ...
レオポルド・ショヴォーによる狐物語の再話に山脇百合子が訳して絵をつけた。なんて嬉しい組み合わせ! 子供の頃に詩の形で読んだ時は「わるものばっかりだな」と思った気がする。 今この本で読むと、ひもじさの中でみんなが必死で生きている市井の人の話だ。 最初の、アダムとイブの話からしてショヴォー節炸裂。 「悪いことは全部イブのせい」な聖書を下敷きにしているにもかかわらず、嫌な感じがしない。 このイブは可愛い。悪いものは全部イブが生み出したけど、ルナールを筆頭に、この本に出て来るキャラクターの多くはイブの子どもたちだ。 出し抜いて、出し抜かれて、痛い目に遭ってひどいことをして、相手の迷惑なんておかまいなしに自分が食うことだけを優先するのは狐も狼も鶏も、人間だって同列で、力の差はあれど皆が同じ土俵で戦っている。 お話集もそうだけど、ショヴォーの目線は善悪を個人に帰結させない。時代にそぐわないほど平らな見方が好きだ。 ダニー・ラファリエールは「帰還の謎」で(読者=買い手にとって身近じゃない)飢餓をテーマにした作品は少ないと言っていたけれど、この話は飢えがテーマだ。 元の話ができた12~13世紀頃には身近なテーマだったってことなのかな? とか色々思いつつ読んだけれど、単純に面白い。 名前がたまに唐突に日本風(サブローなど)に訳されているのはちょっと笑ってしまう。 背景を説明してくれる解説(福本直之)がありがたい。 内田百閒版 「王様の背中」ライネケ狐http://booklog.jp/users/melancholidea/archives/1/4828832947
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