商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 中央公論新社/ |
発売年月日 | 2002/05/25 |
JAN | 9784122040205 |
- 書籍
- 文庫
十三妹
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十三妹
¥859
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商品レビュー
3.1
17件のお客様レビュー
「女賊の哲学」より軽め
短編「女賊の哲学」を先に読んでいたので、かなり予想外でした。 イラストは賛否両論有りそう。まあ、これはこれで良いのか?。(ライトノベルと考えれば。) 個人的にはもっとドロドロしているのを期待していたのでちょっと・・・という感じでした。
いけだ
元ネタは中国の武侠小…
元ネタは中国の武侠小説。内容はイマイチですが、イラストはなかなか良いです。
文庫OFF
この本が再度出版された2001年、店頭でパラパラと手に取ったことを覚えている。 その際に、田中芳樹の解説をよみ、3つの中国の歴史書を、時代の壁を大胆にも乗り越えて混ぜ合わせた作品を書けるのは山田風太郎くらいだと思っていた、という紹介文が印象に残っていた。 買おうかなと迷っていたが...
この本が再度出版された2001年、店頭でパラパラと手に取ったことを覚えている。 その際に、田中芳樹の解説をよみ、3つの中国の歴史書を、時代の壁を大胆にも乗り越えて混ぜ合わせた作品を書けるのは山田風太郎くらいだと思っていた、という紹介文が印象に残っていた。 買おうかなと迷っていたが取り紛れてそれ以来この本のことは忘れていたが、先日たまたま古本で見かけて、今度こそ、と財布を取り出した。 内容は他の方が書かれている通り、宋代のヒーローと清代のヒーローが共演する清代の物語だ。 主人公の十三妹=シイサンメイこと何玉鳳は安青年の第二夫人で、ミステリアス美女であり、過去に裏稼業ありのいわゆる忍者だ。 安青年は科挙挑戦中の美青年だが押しが弱く、いろいろお人好しで可愛げのあるダメなヤツ。もちろん妻の正体は知らないまま。 十三妹と並ぶ重要人物が白面堂こと錦毛鼠というねずみ小僧的義勇キャラ。 こちらも美青年らしい。さらには、彼は十三妹も安青年のことも好きという美味しい設定。 十三妹は主人公のわりには出番が少なく、安青年のほかの家族や安青年のぼろぼろ旅、白面堂と時の政治家と兄貴分、科挙のあれこれが面白おかしく綴られている。 最後には謎の老人も登場。 やや不穏なフックとともに突然物語は終了し、おそらくは続編の構想があったらしいが実現しなかったとの解説で読み終わる。 田中芳樹が注釈で書くように、オリジナルが新聞連載されていた60年代はまだ中国との間に国交が回復しておらず、日中間がもっとも疎遠だった時代に、中華モノのパスティーシュを読者に読ませるために先駆者の武田がいかに工夫や努力をしたか、が今ではひとつの読みどころである。 とはいえ、私も科挙のこまかいルールはあまり知らなかったので、クライマックスの科挙シーンを興味深く読んだ。 科挙=寝具持ち込みで小さな小屋に一人ずつ泊まりで行う試験、だというのは、皇なつきの「貢院の鬼」という短編マンガにあったくらいかな。 シイサンメイのイラストが可愛い&安青年の憎めなさが可愛いのでこの夫婦と白面堂との関係が良かった、というシンプルな感想を述べておく。 田中芳樹が解説のラストで、今回の挿絵を鶴田謙二に頼めてよかった、(オリジナルは芹沢銈介だったらしい。なにそれ、そっちも見たいー!)、いずれ拙作にもイラストをお願いしたい、と書いていたが、この数年後に児童書「ラインの虜囚」で田中の願いは叶うし、そこの解説で、鶴田謙二を指して、「子どもたちよ、大人には一緒に仕事をするという喜びがあるんだよ」と書いていたことを思い出してニッコリした。 この本で知ったことメモ 大虫とは中国では虎の異名 鼠を名前に入れるのが清代に流行った。かつては竜とか虎とかもっと強そうなやつが流行ったのに。 思い出したことメモ 船で登場した美人局をやらされている若い女というか少女の描き方にかなり不快感を覚えた。中国モノ+60年代という執筆の時代柄仕方ないけど女性差別が強い。
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