日本人と戦争 歴史としての戦争体験 刀水歴史全書47

大浜徹也(著者)

• 販売会社／発売会社: 刀水書房/
• 発売年月日: 2002/01/30
• JAN: 9784887082205

商品レビュー

2020/11/27

講演を編んだ書籍なのだが執筆と遜色のない情報密度で、自身に向けた問いの深さにたじろがされる。同時期にやはり講演を編んだ『近代の呪い』（渡辺京二）を読んだが、知識人の良心という点で双璧を成す。他を論（あげつら）い己を省みることのない昨今の言論情況は寒々しい限りである。イデオロギーに基づく言葉は人間を操作対象と捉え、言葉を論理の道具に貶（おとし）める。特に最近はリベラルを装った左翼を見抜く眼が必要だ。
https://sessendo.blogspot.com/2020/11/blog-post_27.html

2011/02/15

戦争を「理論」や「政治的党派性」に拠ることなく、〈人間〉の眼で読み解こうとした作品。「靖国の思想」に縋るほか生き得なかった遺族の嗚咽に寄り添う著者は、ゆえにこそ一個独立の人間として、〈いのち〉を真に意味あらしめる世界は何かを鋭く問いかける。日本近代史に関心のある人は無論、すべての〈哲学する人〉に強く薦めたい。　（2010: 村松晋先生推薦）