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この素晴らしき世界
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この素晴らしき世界

ペトルヤルホフスキー(著者), 千野栄一(訳者), 保川亜矢子(訳者), 千野花江(訳者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 集英社/
発売年月日 2002/06/30
JAN 9784087733655

この素晴らしき世界

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商品レビュー

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2022/09/22

チェコに関する前知識がほぼないまま読み始めたが、これから読む人にはざっくりと第二次世界大戦期のチェコの立ち位置などを知ってから読むことをすすめたい。 章と章が断続的に繋がっているような感じで、(おそらく作者にそのような意図はないのだろうが?)次々に入ってくる新聞記事を読んでいる...

チェコに関する前知識がほぼないまま読み始めたが、これから読む人にはざっくりと第二次世界大戦期のチェコの立ち位置などを知ってから読むことをすすめたい。 章と章が断続的に繋がっているような感じで、(おそらく作者にそのような意図はないのだろうが?)次々に入ってくる新聞記事を読んでいるようなスピード感があった。戦争の時代の、隠れて生きなければいけなかった人たちを描くのに、わざとそういう書き方をしたのかわからないが、なんだか私には妙に生き急いでいるように読めた。そういうものなのだろうか? クライマックスはまるで劇を見ているようで、自分が感動しているのかよくわからなかった笑 滑稽な、というかこれが"チェコ的"なのだろうか?最後に掲載されていた、亡くなった訳者千野栄一氏のエッセイを読むと、この普段あまり味わわない読後感が掴めたような気がしてくる。 訳者あとがきにもあったが、この作品は事情により三人の家族によって全文が訳されている。そのあたりにも想いを馳せながら余韻に浸りたい。

Posted by ブクログ

2018/03/10

ナチスドイツ占領下のチェコが舞台。人々は、だれが自分を密告する敵になるのかわからない緊張感の中で生活している。主人公のヨゼフは、追放されたユダヤ人の隣家の隠し金庫を開けに忍び込んだ時、偶然にも逃亡して家に潜んでいた青年ダビッドとはちあわせ、見捨てることができず、自分の家にかくまう...

ナチスドイツ占領下のチェコが舞台。人々は、だれが自分を密告する敵になるのかわからない緊張感の中で生活している。主人公のヨゼフは、追放されたユダヤ人の隣家の隠し金庫を開けに忍び込んだ時、偶然にも逃亡して家に潜んでいた青年ダビッドとはちあわせ、見捨てることができず、自分の家にかくまうことにした・・・。 「戦時下、ユダヤ人をかくまったある勇気あるチェコ人の話!すばらしい!!」 ・・・ではないのだ。だからこの小説はすばらしい。 そもそも、冒頭から盗みに入っちゃってる時点で、 「一体どんな小説なんだ?」と思わせる。 この小説の登場人物は、ことごとくみんな、「人間くさい」のだ。 原題は「我々はお互いに助け合わなければならない」 このタイトルの方が日本語のタイトルである『この素晴らしき世界』よりも、この小説にふさわしいことは間違いはない。 決してみんな、「正しい」ことをして生きていない。 だけど、自分の譲れない一線をもっていて、それはもう、生死を分けるようなラインで「われわれはお互いに助け合わなければならない」の精神を発揮する。 その「われわれ」がチェコ人同士だけじゃなかったり、 「助けましょう」じゃなくて「助け合わなければならない」であることに、想像を超える重みと希望があるのだと感じる。 とはいえ、日本で育ってる私にとってそんなに理解しやすくもない。映画にもなっているのでそちらも見てみたい。

Posted by ブクログ

2014/02/26

「今の時代に子供なんて」という中盤のチージェクのセリフが一つの伏線になっている。この小説の一つのミソは、最終的に生まれてくる子供(彼の未来は分からない)を除いて、ただの一人も幸福な人間がいない事だ。再読だが、前回受けた以上の重みを最後の数ページに感じ取った。何もかもが重く、苦しみ...

「今の時代に子供なんて」という中盤のチージェクのセリフが一つの伏線になっている。この小説の一つのミソは、最終的に生まれてくる子供(彼の未来は分からない)を除いて、ただの一人も幸福な人間がいない事だ。再読だが、前回受けた以上の重みを最後の数ページに感じ取った。何もかもが重く、苦しみと喜びでできている、この素晴らしき世界。

Posted by ブクログ

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