商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 文藝春秋/ |
発売年月日 | 2002/09/30 |
JAN | 9784163211206 |
- 書籍
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逝く夏に
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逝く夏に
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商品レビュー
3.5
2件のお客様レビュー
山口椿氏、1931年東京生まれ、作家・画家・チェリストとのこと。少女残酷物語などの残酷関係の本が多いようです。初読み作家です。「逝く(ゆく)夏に」、2002.9発行。3月9日の大空襲(3月10日だと思いましたが・・・)と8月15日の無条件降伏のこと、そして、闇屋稼業を続ける少年た...
山口椿氏、1931年東京生まれ、作家・画家・チェリストとのこと。少女残酷物語などの残酷関係の本が多いようです。初読み作家です。「逝く(ゆく)夏に」、2002.9発行。3月9日の大空襲(3月10日だと思いましたが・・・)と8月15日の無条件降伏のこと、そして、闇屋稼業を続ける少年たち。戦争・空襲の悲惨さ、闇雲に生きなければ生きていけない戦後の様子を描いた書。私小説でしょうか・・・?。埼玉県(一部東京)が舞台なので読み続けましたが、著者のテーマ(狙い)はよくわかりませんでした。
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山口さんが1931年生まれ、ということが1945年には14歳ということになります。 だいたいこの年代の人々の、終戦、そしてそのあと、という記録はかなりの量あって、みんなそれぞれに苦労して、でもまったく新しい生活が始まることにそれなりに期待して、生きながらえてきたんだと思うん...
山口さんが1931年生まれ、ということが1945年には14歳ということになります。 だいたいこの年代の人々の、終戦、そしてそのあと、という記録はかなりの量あって、みんなそれぞれに苦労して、でもまったく新しい生活が始まることにそれなりに期待して、生きながらえてきたんだと思うんですが、よもや山口椿が終戦直後のことを描くとは思わなくて、そしてやっぱり、見たこともないような「生」の横溢した若者が描いてありました。 おそらく作者自身自身であろう語り手は、戦後の闇市でどうにかして、もう生存のためにはなんでもアリで生活しておりまして。 とうぜんアタクシなんぞは終戦直後のことはわかるはづもない、けれども、終戦の貧困をどうにかしてやり過ごして、人より少しでも優位に、裕福に、というエネルギーがあるのです。それは繰り返しになるけど、軍部の決められた道ではない「これからのよくわからないけど先を生きる」ということだし、その生の前では秩序にしがみつくことなど無意味である、ということなんだろうなぁというわけなんですが。 いわゆる「終戦直後の日本」の記録としては白眉の出来です。文章力にもあいかわらずの安定性。 エログロばっかり書いてるけどね、今の日本の書き手ではたぶん五本の指に入る文章力だと、アタシなんぞ信じて疑いません。 これはもっと評価されてもいい。 なぜ取り上げられない!
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