- 新品
- 書籍
- 書籍
- 1220-02-15
片思いの発見
1,430円
獲得ポイント13P
在庫なし
発送時期 1~5日以内に発送
商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 新潮社/ |
| 発売年月日 | 2001/09/20 |
| JAN | 9784104492015 |
- 書籍
- 書籍
片思いの発見
商品が入荷した店舗:店
店頭で購入可能な商品の入荷情報となります
ご来店の際には売り切れの場合もございます
オンラインストア上の価格と店頭価格は異なります
お電話やお問い合わせフォームでの在庫確認、お客様宅への発送やお取り置き・お取り寄せは行っておりません
片思いの発見
¥1,430
在庫なし
商品レビュー
5
1件のお客様レビュー
「かつて谷沢永一は、文学研究に方法論などというものはない、と言ったが、批評言語にも、定まった方法などというものがないのみならず、一貫した立場を維持する必要すらないのである。(中略)文藝批評は、ほとんど常に、時流に逆らわなければならない。」-『恋、倫理、文学』 小谷野敦の評論はと...
「かつて谷沢永一は、文学研究に方法論などというものはない、と言ったが、批評言語にも、定まった方法などというものがないのみならず、一貫した立場を維持する必要すらないのである。(中略)文藝批評は、ほとんど常に、時流に逆らわなければならない。」-『恋、倫理、文学』 小谷野敦の評論はとても、ふんふんそうだよねえ、と頷きながら読み進めるような類のものではないが、どこかで響く。そもそもとても面倒臭い論理が展開されるのでついて行くのも大変なのだけれど、右に左に振られてぜえぜえ言わされつつ、その道筋を付ける精神そのものは極めて真っすぐであると感じる。しかし誤解してはならない。真っすぐにあまのじゃくなのであって、竹を割ったように解りやすい性格、というようなニュアンスでは決してない。そういうと、ひょっとすると著者は、いやいや単純な性格だよ、というかも知れない。つまり、そんなことを想像させる、こう言えばこう言うという気配が、小谷野の文章からは漂う。 不思議な感覚だが、評論のなされ方を見る限り、ある意味で非常に素直な心を小谷野は持っているとも、思える。それが時として徹底されるので、子供っぽい、とさえ思ってしまうこともあるけれど、対象物の仕組みを論理的に分解して理解しよう、ということに関して言えば、それは研究者の持つ徹底ぶりであって、子供っぽさが否定的に響く必要はない。しかし、そんな素直な探究心の発露である文章が、何故かしら面倒臭いものとなる。 もちろん、小谷野の引用する著作に対する不勉強から、そう感じてしまう自己責任の部分も大きいのだけれど、面倒臭さは、読みながら常に構えていなければならないと感じる小谷野の文章そのものにも起因するようにも思う。言い換えるなら、警戒心を解くことができない、と感じるのだ。それは、常にメタなレベルでの考察を誘導するような文章であると分析することもできる。例えば、ここで対象物に対してAというラベルを張ったとしても、そのAというラベルの意味は常に更なる論証によって書き換えられる可能性を保持しているのだ、と読み手は考え続けておかなければならない。今、ここで展開される論証は、後々メタなレベルからの俯瞰によって意味を変更される可能性がある、と意識していなければならない。そんな緊張感が小谷野の文章にはある。 それは、ふんふん、と肯いて読み進めるような単純な爽快感を生む評論ではない。ちょっと頭の芯がしびれてくるような中毒性のある読み物であり、その中毒性に気付きつつ止めずに読み進めることで快楽がもたらされるような評論だ。そして忘れてならないのは、小谷野がメタなレベルでの結論を引き出すためならば、論評している対象に対する立場を変えることを厭わないという潔さである。意固地さが裏に潜んでいそうな文章であるので気付かないままになりそうなことだけれども、その態度に自分はとても共鳴する。一つの言説を徹底的に掘り下げては見るけれども拘泥しないという態度が、自分にとっては心地よい。
Posted by 
