商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 筑摩書房 |
| 発売年月日 | 2001/02/07 |
| JAN | 9784480086150 |
- 書籍
- 文庫
アラブが見た十字軍
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アラブが見た十字軍
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商品レビュー
4
30件のお客様レビュー
何十年、何百年経とう…
何十年、何百年経とうと、過去に起こされたことが消えるわけではありません。知らないということが罪になる。日本人にとっても他人事ではありません。
文庫OFF
レオン・ゴーティエ『騎士道』を読むにあたり本書のことがしきりに思い出され、それと併読/再読。1986年に翻訳され、90年代~00年代頃に日本国内のこうしたジャンルでは多く取り上げられた本だと思います。おおむね日本人にどう受け取られたかは(西洋人の蛮行を喋る程度の意味で)察せられる...
レオン・ゴーティエ『騎士道』を読むにあたり本書のことがしきりに思い出され、それと併読/再読。1986年に翻訳され、90年代~00年代頃に日本国内のこうしたジャンルでは多く取り上げられた本だと思います。おおむね日本人にどう受け取られたかは(西洋人の蛮行を喋る程度の意味で)察せられることでしょうが、内容は今あらためて読んでも非常に面白い……です。また興味あるのは、騎士や王侯よりか本書各時代の報告を担う歴代の史家たちの各々のパーソナリティ。読後に「原注および出典」の欄を読み返すと印象がだいぶ変わると思います。
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タイトル通り、アラブの側から見た十字軍(ファランクス、本著内ではフランクと呼称)の侵攻と、これに対する抵抗の経緯が述べられている。文庫だがボリュームは十分すぎるほどで、500ページ弱の中に500年近い歴史が記されている。 著者はレバノン生まれのジャーナリスト。出自から言ってもア...
タイトル通り、アラブの側から見た十字軍(ファランクス、本著内ではフランクと呼称)の侵攻と、これに対する抵抗の経緯が述べられている。文庫だがボリュームは十分すぎるほどで、500ページ弱の中に500年近い歴史が記されている。 著者はレバノン生まれのジャーナリスト。出自から言ってもアラブの肩を持ち、フランクである西欧側を批判する立場を取ってもおかしくないが、できる限り中立、公平な視点で歴史を扱おうという意思が読み取れる。アラブが正義でフランクが悪だったという表現はどこにもなく、フランクにはフランクの正義があり、アラブにはアラブの道理がある、という姿勢は最後まで崩れない。 かつては文化や歴史の中心だったアラブ世界であったが、なぜ最終的には世界の中心が西欧側に移ってしまったのか。著者は終盤に「アラブは十字軍以前からある種の疾患に悩んでおり、これはフランクの実在によって明らかになり、たぶん悪化もしたが、ともあれフランクが作ったものではない」と断じており、衰退の原因はあくまでアラブ世界自体が内包していたとする。 一つには、フランクの占領時代のアラブの指導者たちの、いったい誰が「アラブ」だったのか、という点である。戦いの主軸で会った多くの英雄はトルコ、アルメニア、クルドなど様々なルーツを持っており、誰も純然たるアラブではなかった。 第二には、アラブ世界は西欧と違い、法制を確立できずに国家継承が機能せず、常に跡目争いと内乱を続けており、その隙にフランクからの侵略を受けていたという点である。フランクには権利を分配する方針と制度があり、それが機能していたために国が安定し、聖職者が公認された役割を果たすことができていた。アラブにはそのような「安定」の時期がなかった。このことは、訳者の後書きで「西は東を学んだが、東はそれをしなかった」と端的に表現され、近世以降の両文明圏の圧倒的な格差を生んだ原因であると断じている。 アラブは今も世界において大きな影響力を持っているが、一方で紛争や内乱、不安定もいまだに多く抱えている。「アラブ」が十字軍時代から何を学ぶべきなのか。和訳されたこの本が刊行されたのが1986年だが、いまだ読むべきところは多い。
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