商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 新潮社/ |
発売年月日 | 2001/08/29 |
JAN | 9784101241142 |
- 書籍
- 文庫
幸福の船
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幸福の船
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商品レビュー
3.7
6件のお客様レビュー
世界一周クルーズに出…
世界一周クルーズに出かける船で、婚約を解消したばかりの三帆子は、童話作家の俊之介と出会った。二人の物語を中心に、若い恋人を連れた70代の大女優や自殺しようとする老弁護士など様々な人間模様を描く。
文庫OFF
可もなく不可もなく。 世界遺産が好きな人には中盤までは面白いかも。 しかし、イマイチ盛り上がりに欠けるというか…淡々と進んだ印象でした。
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もしも この作品が新人作家というのなら、おまけの4つ★を付けたと思います。 ですが、直木賞作家の作品ということで敢えて2つ★にしました。 主人公・三帆子は、世界一周の豪華客船の船医の娘として船に乗る。 彼女は船に乗る直前、婚約解消という辛い出来事を経験していた。 船の中はあらゆ...
もしも この作品が新人作家というのなら、おまけの4つ★を付けたと思います。 ですが、直木賞作家の作品ということで敢えて2つ★にしました。 主人公・三帆子は、世界一周の豪華客船の船医の娘として船に乗る。 彼女は船に乗る直前、婚約解消という辛い出来事を経験していた。 船の中はあらゆる顔ぶれが並び、彼らを通して人は皆、誰しも心に悩みを、傷を持って生きていることに気付いてゆく、、、。 ざっと書くとそんな感じの内容である。 私がこの本を手にしたのは、船旅、豪華客船、世界一周といった言葉につられたこともあるが、それは、船旅ならではの醍醐味を文章とともに楽しみたいからであった。 その醍醐味とは、、、そうだなあ、 デッキから見上げる雲の流れであったり、頬をかすめる潮風と鼻を擽る潮の香りであったり。 以前、豪華客船ではないが、世界一周の船旅に出掛けた親友が旅の途中で葉書を送ってくれたことがある。 もう10年以上前になるだろうか。 それは、「これからしばらく地中海が続きます」という出だしだったと記憶している。 陸路と飛行機しか知らない私は、すぐさまその言葉に酔ってしまった。 「こんな文章、船旅だから書けるんだよね。 しかも、世界一周だし!」 私はまるで自分の旅のように母や友人に自慢した。(笑) そういった、船旅でしか体験できないこと、それがこの本の中にいっぱい詰まっているに違いない。 そう思ったのが、この本を選んだ理由だ。 ところが、期待は裏切られた。 いくら豪華客船といっても、船という限られた空間。 そこに一つの社会が生まれ、独特の人間模様が繰り広げられることは容易に想像がつく。 船とは少し異なるが、昔 ワーホリで滞在したクライストチャーチでの、小さな町の小さな日本人社会もそうであった。 そして、それを軸に描こうというのは、私でも分かる。 だが、私が思う船の醍醐味が描かれてなかったのだ。 しかも、ルクソールだのアクロポリスだの、そういった歴史ある美しい場所で場面に変化をつけるのなら、その場所を読者に感じられるように表現して欲しかった。 彼女の文章は、視覚でしか物を言ってはいない。 別にわざわざ舞台をそこにしなくてもいいんじゃないかとさえ思わせられる。 とにかく色気がない。 色気というと変に取られるかもしれないが、それは先ほども書いた、じとっとした潮風だったり、肌を突き刺す陽光だったり。 雨の描写ひとつにしろ、雨の匂いを感じたかった。 私は旅と同じような期待をこの本にした。 五感で楽しみたかったのに、残念である。 遺跡や町の説明は有難かったが、それはガイドブックの受け売りではなく、人物や土埃などから形作って欲しかった。 そして、それは主人公をはじめとする登場人物すべてにも当てはまった。 そこには大女優や老舗旅館の若女将など、文中では「美しい」人や「色っぽい」人は登場してきたが、実際、ちっともそうは思えない。 だからかな、誰にも感情移入しなかった不思議な小説である。 評価できるのは、ただ読みやすいという点くらいだ。 直木賞作家ということで、私が期待しすぎたのか。 期待が大き過ぎただけに空振りしてしまった。
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