商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 文藝春秋/ |
発売年月日 | 2000/05/10 |
JAN | 9784163191805 |
- 書籍
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シメール
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シメール
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商品レビュー
3.8
11件のお客様レビュー
美しい文体、芸術、美へのこだわりが感じられる。 数章ごとに視点が翔と片桐で切り替わる。 中盤以降、翔が執筆する物語が挟まり、流れに水を差す感じ。ミステリ作品ではなく耽美小説といった雰囲気。片桐の人物描写や背景が非の打ち所がないため、内面が美の対極にあっても気持ち悪さに生々しさとか...
美しい文体、芸術、美へのこだわりが感じられる。 数章ごとに視点が翔と片桐で切り替わる。 中盤以降、翔が執筆する物語が挟まり、流れに水を差す感じ。ミステリ作品ではなく耽美小説といった雰囲気。片桐の人物描写や背景が非の打ち所がないため、内面が美の対極にあっても気持ち悪さに生々しさとかはない。あくまでイケてる変態。最後も意外性とかは特になし。浮世離れした世界に没入したい方にオススメです。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
14歳美少年に見せられた中年美大大学教授。 美少年一家を家に住まわせ(一応家賃とるが格安)、寝室を美少年写真だらけにし、大学の研究室では美少年を描き。 別にゲイじゃないらしい。芸術家は美に敏感なのーってとこか? しかーし。結果的に、彼のせいで美少年一家は崩壊するのであった。 美少年はシメール(幻獣)のままにしておきたいのであった。 服部まゆみの本はもう1冊あるのだけど(「レオナルドのユダ」)、読むのしんどそうなので、ここで打ち止め。 こういう作家はもう出てこないのかな。
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「死んだら、俺はもう此処にはいない」と大切な人に言われたのを思い出した。 ふわふわと掴めないまま、死んでしまったなら”消えること”なのかもしれない。 最初から此処にいないのだとすれば、一緒にいた時間も何もかも幻だったのかもしれない。 僕は死によって、大切な人が自分のものになるよ...
「死んだら、俺はもう此処にはいない」と大切な人に言われたのを思い出した。 ふわふわと掴めないまま、死んでしまったなら”消えること”なのかもしれない。 最初から此処にいないのだとすれば、一緒にいた時間も何もかも幻だったのかもしれない。 僕は死によって、大切な人が自分のものになるような気がしている。 けれど、シメールの冒頭では、”死体という物が、こうも気を滅入らせるものとは思わなかった。”と書いてある。 死とは居なくなること、消えることというのも翔の台詞にあった。(この光と闇でも書かれていた) 僕にとっては、歓喜するような最後。なのに、この本からは虚しさばかりが強烈に残る。 愛しいシメールだから、そのように愛したのに。従順だったのに。 初めから此方を見てくれていたら、魔王などにはならなかったのだろうか。 幻であるからこそ、惹かれたのではないのだろうか。 分かっていたのに、どうして虚しくなるんだろう。 これだけ愛し、惜しまずに想い続け、愛しいシメールに仕立てたのに。 長い余韻に浸れそう。
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