商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 思潮社 |
発売年月日 | 2000/07/02 |
JAN | 9784783712008 |
- 書籍
- 書籍
釣り上げては
商品が入荷した店舗:店
店頭で購入可能な商品の入荷情報となります
ご来店の際には売り切れの場合もございます
お客様宅への発送や電話でのお取り置き・お取り寄せは行っておりません
釣り上げては
¥2,200
在庫あり
商品レビュー
4.3
4件のお客様レビュー
アーサー・ビナードさんの詩集ですね。 アーサー・ビナードさん(1967年、アメリカ・ミシガン州生まれ)詩人、俳人、随筆家、翻訳家。広島県在住。 この詩集は、中原中也賞を受賞されています。 2000年7月初版です。 『来日して、足かけ十年。日本語で少しずつ書くようになってからは、八...
アーサー・ビナードさんの詩集ですね。 アーサー・ビナードさん(1967年、アメリカ・ミシガン州生まれ)詩人、俳人、随筆家、翻訳家。広島県在住。 この詩集は、中原中也賞を受賞されています。 2000年7月初版です。 『来日して、足かけ十年。日本語で少しずつ書くようになってからは、八年近くなる。』とあとがきにきされています。 雨読の誕生日 梅雨が 尾を引いている二十七歳の誕生日 読書に耽って過ごした。 少し黄ばんできた。 二十六章ある本の 再読。 思っていたよりも粗くないかーー 途中で閉じた。 窓の外の雨をじっと 精読。 バナナ 屋上で バナナを食べた 半分ずつ 遠い南国のこと 搾取のこと 農薬、死んでいく愛のこと 一つも 考えないで 霞んだ街 見下ろしながら バナナを頬張った バーコード ぼくが書いた初めての本の表紙に バーコードが付いている。 自分のつぶやき か何かのつもりで綴ったものだが これで商品になった ーーそんなことを バーコードが見せつけるようだ、 本を手にするたびに 「目に入らぬか」と。 いつまた新しい本が出るか 分からないけれど いずれは詩も一品一品 バーコードで分類され スーパーのレジみたいに 読者がそれを「ピッ」と読み取って あげくにはぼくら 言葉を捨ててバーコード文学を 営むようになるのだろうか。 ぼくがこんな取り越し苦労をするのは 思いやられる 自分の頭髪の将来が そこに見えるからか。 率直な爽やかでいて、ユーモアがある詩風です。 アーサー・ビナードさんは、この時期かなり忙しく日本中を駆け巡られています。妻帯もされています。 明るく、日本語をひねりながら、一生懸命に詩を導き出されているのが、肌で感じられますね。 愉しい詩集でした。
Posted by
「記憶は ひんやりした流れの中に立って/糸を静かに投げ入れ 釣り上げては/流れの中へまた 放すがいい。」(釣り上げては) ー 「屋上で/バナナを食べた/半分ずつ/遠い南国のこと/搾取のこと/農薬、死んでいく愛のこと/一つも/考えないで/霞んだ街/見下ろしながら/バナナ...
「記憶は ひんやりした流れの中に立って/糸を静かに投げ入れ 釣り上げては/流れの中へまた 放すがいい。」(釣り上げては) ー 「屋上で/バナナを食べた/半分ずつ/遠い南国のこと/搾取のこと/農薬、死んでいく愛のこと/一つも/考えないで/霞んだ街/見下ろしながら/バナナを頬張った」(バナナ)
Posted by
アーサー氏の作品を ほぼ読破していますが これが初めて読む詩集です。 なんて瑞々しい感性なんだろう 成人しても少年の言葉のような 絵が浮かんでくるような 物語調の詩がなんとも素敵です。 故郷ミシガンの大自然から 「釣り上げては」という詩を 釣り上げたのでしょう。 あくまでも子供目...
アーサー氏の作品を ほぼ読破していますが これが初めて読む詩集です。 なんて瑞々しい感性なんだろう 成人しても少年の言葉のような 絵が浮かんでくるような 物語調の詩がなんとも素敵です。 故郷ミシガンの大自然から 「釣り上げては」という詩を 釣り上げたのでしょう。 あくまでも子供目線に近いので 一人称の「ぼく」で詩を書いている のが…なんともピュアです。 一人称でも「オレ」では 全ての詩が台無しです。 この作品で中原中也賞受賞ですね … いつまでもピュアな感性で いてください。 美しくも楽しい日本語を ありがとうとエールを おくります。 表紙の絵もステキでした。
Posted by