商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 小学館/ |
発売年月日 | 2000/10/10 |
JAN | 9784093791885 |
- 書籍
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片桐且元
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片桐且元
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商品レビュー
3.7
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片桐且元の方広寺鐘銘事件から大坂冬の陣直前までを描いた歴史小説。NHK大河ドラマ『どうする家康』の予習になる。方広寺鐘銘事件は卑怯な言いがかりである。 「君臣豊楽」を「豊臣を君として楽しみ」と読むことは無理筋である。漢文を読む際は、漢字の意味が分かれば良いというものではない。レ...
片桐且元の方広寺鐘銘事件から大坂冬の陣直前までを描いた歴史小説。NHK大河ドラマ『どうする家康』の予習になる。方広寺鐘銘事件は卑怯な言いがかりである。 「君臣豊楽」を「豊臣を君として楽しみ」と読むことは無理筋である。漢文を読む際は、漢字の意味が分かれば良いというものではない。レ点等の返り点を付けて日本語の書き下し文にする。 白居易「長恨歌」は「漢皇重色思傾国」で始まる。「漢皇色を重んじて傾国を思ふ」と読む。訓読文では「重レ色」とレ点を入れて折り返す。君臣豊楽を「豊臣を君として楽しみ」と読むならば「臣レ豊」と折り返さなければならない。「君臣」「豊楽」は単語であり、豊臣という名字をレ点で折り返して読むことは無い。 本書は方広寺鐘銘事件の時点で大野治長が六万人もの牢人を集めていたとする。家康が豊臣家を潰そうと考えることにも理由はあった。それでも方広寺鐘銘事件は家康の汚点である。「武力をもって豊臣を圧迫したのであれば、それはそれで武人のありかたとしてはやむなき部分はなくはない。けれども家康は、方広寺の鐘銘に、ありもしない呪詛の言葉を読み込んで、そこから豊臣に圧力をかけてきたのだ」(278頁) 豊臣秀頼は方広寺再建など秀吉の追善供養を名目として多数の寺社造営を進めた。初代林田藩主・建部政長の父親の光重も山城国の由岐神社の拝殿や摂津国の多田院、大和国の吉野水分神社など秀頼の寺社再興の作事奉行になっている。 寺社造営の黒幕は家康であった。寺社仏閣建造で豊臣家の金銀を枯渇させようとする策略である。この頃の家康は伏見城などの普請を大名に課し、大名の財力を弱めた。しかし、豊臣家に普請を課すことは遠慮していた。その代わりの寺社造営である。 片桐且元ら融和派は家康の意図に乗っかった。金銀をため込み過ぎると戦に備えていると警戒されるため、豊臣家の力を弱めることで江戸幕府の脅威にならないことをアピールしようとした。しかし、西国大名が進んで造営を援助したり、建設ラッシュによる好景気で豊臣家の人気が高まったりするなど逆に江戸幕府を警戒させてしまう面もあった。 敵の忍者は依存性薬物を使う。「麻の樹脂を固めたものに火をつけていぶし、その煙を吸わせ、酒に酔うがごとき態様を示させるのだ」(237頁)。依存性薬物は他人を傷つけるものである。卑怯な敵が使用する点は昔も今も変わらない。
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豊臣家を守るために、すべてを賭けた武将として描かれている。豊臣の家を守るためであって、秀頼や淀殿を守ろうとしたわけではない。さらに言えばすでに徳川の御代になっていることに自覚的だった豊臣の人間でもある。このあたりが豊臣家中で爪弾きされることにつながってしまう。 小説としては、且元...
豊臣家を守るために、すべてを賭けた武将として描かれている。豊臣の家を守るためであって、秀頼や淀殿を守ろうとしたわけではない。さらに言えばすでに徳川の御代になっていることに自覚的だった豊臣の人間でもある。このあたりが豊臣家中で爪弾きされることにつながってしまう。 小説としては、且元の忍びである五郎太の存在が効いている。
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賤ヶ岳七本槍の一人ながら非常に地味な人物。現代の中間管理職を見ているような彼の苦悩はそこはかとない悲哀を感じさせられます。
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