商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
発売年月日 | 2000/10/18 |
JAN | 9784006000301 |
- 書籍
- 文庫
アメリカ外交50年
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アメリカ外交50年
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商品レビュー
4.3
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2000年(底本86年。原論文47年、50年)刊。著者は戦後米国の対ソ戦略の基礎とされた「封じ込め政策」を提唱した外交研究者。戦前はソ連モスクワ大使館員の経歴あり。◆本書は米西戦争からWWⅡ後までの米外交を批判的に見る講演録(1・3部)と、俗に「X論文」とされる2部からなる。◆「封じ込め」の言からゴリゴリの反共・軍事優先主義者のように見えるが、実は全く違うことが論全体から判る。つまり「封じ込め」の意味を軍部や右派政治家が曲解・誤用・悪用したのだろう。同様の疑念はかような邦訳を用いた点にも結実できそう。 ◆①米国外交の問題は、理想主義的言動の中に、隠れた利己主義が含まれる。これは戦前戦後問わず。②短兵急な理想主義を含め、教条主義的スタンスが米国外交を誤らせる。柔軟姿勢の重要性。③②故に、単純な反ソ・反共・反スタとともに、軍事一辺倒の姿勢は危険。④性善説的人間観と人間性への信頼が基底(ただし、性悪も併有するのが人間との印象も)。⑤ソ連は弱い(ただ、経済制度、独裁的体制、元来の農業・工業生産力の低さ等何れあるいは幾つかの要因によるか不明瞭)。⑥⑤故に、窮鼠猫を噛ませる外交は不適。 というところかなぁ。◆日米関係を含む、アジアは殆ど叙述されない。欧州のみが外交の中心的関心事という事実が雄弁に語られる。中でも、欧州に統一的な一大勢力を生み出させないことが、米国の国益になるという指摘には注意がいる(もっとも、何故そうなのかについて書かないのが困ったところ)。◆とはいうものの、米国の外交の基本的視座は、本書の批判的指摘から感得できるし、現代の民主主義輸出論とも符合する面が大。また、米国外交での現実主義と理想主義の二枚舌にも現代に通ずる側面を感じずにはいられない。つまり有益な一書かと。
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1900年からの50年間におけるアメリカ外交史。 著者はソビエト封じ込め政策の理論面での推進者。 毎度毎度やらなくてもいいことまでやったせいで余計な問題を抱え込んできたというような事が書かれている。 世界はパワーバランスの上に成り立つので一つ潰してもバランスが崩れて傾きが変わり、...
1900年からの50年間におけるアメリカ外交史。 著者はソビエト封じ込め政策の理論面での推進者。 毎度毎度やらなくてもいいことまでやったせいで余計な問題を抱え込んできたというような事が書かれている。 世界はパワーバランスの上に成り立つので一つ潰してもバランスが崩れて傾きが変わり、安定した緊張状態に戻るだけで何の解決にも成らない。 安定した緊張状態こそ冷戦だ。 彼の見立ては、ソビエトは実際的な実力には敏感なため冒険は犯さず、ナチスと違って追い詰めなければ暴発することはないという事だ。 なんだかんだ言って結果的にアメリカは冷戦に勝利したといえるので彼は正しかったのだろう。
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ジョージケナンの外交についての講演集的な。かのX論文も収録。全般に、改善されたけど道徳家・法律家的な米外交への批判的な考察といった感じかな。 アメリカ外交50年ということで米西戦争についての考察から始まるんだけど、この戦争が国益への注意が払われないまま国民一般の気分や一部の策謀で...
ジョージケナンの外交についての講演集的な。かのX論文も収録。全般に、改善されたけど道徳家・法律家的な米外交への批判的な考察といった感じかな。 アメリカ外交50年ということで米西戦争についての考察から始まるんだけど、この戦争が国益への注意が払われないまま国民一般の気分や一部の策謀で始められたことなどを指摘。 東アジアとの外交については、米にヨーロッパとは違って積極的に関与したがる傾向があること、日本との関係悪化に繋がった政策の数々について言及。 また、第一次大戦についてのところで民主主義は平和を愛しているが一度戦争まで挑発されると忿怒に狂って戦う巨獣のようなものと言ってる。 第二次大戦では、ヒトラーが権力をやすやすと握る状況にドイツを持っていったところですでに西側民主主義国の一つの敗北だったとしており、途中でヒトラーの野望を潰せなかった融和策についても批判。 講演集とは別に収録された論文だが、ソ連というかロシア人には理解と期待を持ってるのがわかる。軍産複合体の問題についても触れている。
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