バルザック「人間喜劇」ハンドブック バルザック「人間喜劇」セレクション別巻1

奥田恭士(著者), 片桐祐(著者), 佐野栄一(著者), 菅原珠子(著者), 山崎朱美子(著者), 大矢タカヤス(編者)

• 販売会社／発売会社: 藤原書店
• 発売年月日: 2000/05/31
• JAN: 9784894341807

商品レビュー

2025/08/18

　今日８月１８日は、フランス19世紀の作家 オノレ・ド・バルザックの命日です。
バルザックは、1799年5月20日にトゥールに生まれ、1850年8月18日にパリで亡くなりました。今日は175回忌ということになります。

　バルザックと言えば「人間喜劇」。「人間喜劇」と言えば「ゴリオ爺さん」で有名ですよね。
「ゴリオ爺さん」の主人公は、学生のウージェーヌ・ラスティニャックで、彼が上流階級に成り上がるために社交界に出入りしていくお話でした。

　バルザックは、人間社会の諸相を小説で写し取ろうとして「人間喜劇」という世界を考えます。そして、「人物再登場法」というある小説の登場人物が他の作品にもどんどん登場してくるという仕組みを作りました。
　例えば、ウージェーヌ・ラスティニャックは、主役級・端役級の作品を取り混ぜて、全部で25の作品に登場します。
最初は、気弱な学生だった彼は、社交界・上流社会の厳しさを知り、いろいろな事業を行ったり、人間関係を築きながら、政界にも進出し大臣を２度務め伯爵になります。

　この本は、そういう「人物再登場法」で出来ている「人間喜劇」の世界を探索するためのハンドブックです。
内容は「主要人物辞典」「「人間喜劇」家系図」「「人間喜劇」年表」「「人間喜劇」と服飾」「主要人物辞典人名索引」から成り、例えば「主要人物辞典」でラスティニャックを引くと、登場作品数・作品名、生い立ち・人となり・行動・職業・人間関係などを調べることができます。(100〜101ページ)
　この本は、藤原書店の「バルザック「人間喜劇」セレクション」（全13巻）の別巻１として出された本です。初版出版は2000年5月ですが、非常に役に立つ優れものです。

　お盆のお休みは終わってしまいましたが、読書の秋には、この本をガイドにしてバルザックの壮大な「人間喜劇」の世界に分け入ってみられてはいかがでしょうか♡

2009/04/17

主要登場人物まとめと系図、人間喜劇の服装について。
特に、この時代の男性服装史の充実っぶりは、他に追随を許さない感じで重宝するわ…。
（大概女性は詳しいんだけど、男性のは置いてきぼりっぽいからなぁ）
セレクション全13巻と、かぶっていない挿絵も載ってるし…必要がない人でも一眺めすると良さそう〜。

セレクションだけじゃなく、創元社の全集を読むのにも、いいガイドになりそうです。