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猫に満ちる日
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猫に満ちる日

稲葉真弓(著者)

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猫に満ちる日

1,870

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 講談社
発売年月日 1998/07/25
JAN 9784062092869

猫に満ちる日

¥1,870

商品レビュー

3

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2021/05/29
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※このレビューにはネタバレを含みます

一人で生きると決めた女性と一緒に暮らす猫の若き日と老いていく日々。 男と暮らしていた頃に家の外で拾った子猫。 男と別れることになっても、私は猫と共に暮らし続けた。 猫が若い頃、お腹に宿した子猫の死が原因で子宮を取る手術をしたこと。 引越し先のマンションで迷子になってしまった猫。 老いた母を東京観光に連れ出し、その姿と猫が重なって見えたこと。 今は高齢で足腰が弱り、自力で排泄ができず 床に這うように尿を垂らして移動し、 毎日汚れた体をぬるま湯で洗ってやる私の孤独と猫に思う気持ち。 動物の溌剌とした若かりし頃を知っているからこそ 老いていくその姿を目の当たりにするのは その姿にチラつく死の影が見えてつらいのう。 看取ることのつらさ。。。

Posted by ブクログ

2008/02/19

連作短編集。一話で漂った濃厚な死の匂いがまさかまさか最終話まで続く。そしてまさかの作者の実話を元にしてるというんだから堪ったもんじゃない。きついです。(桐切)

Posted by ブクログ

2004/10/03

深夜、仕事から帰る私を、猫はいつも玄関の扉のところで待っていた。闇の中にひっそりとうずくまっている猫を見るたびに、私の心はしなびた袋から弾力のある柔らかな袋へと回復していく。夜気で冷えた体を抱けば、頬や首に触れる毛の1本1本から、迎えられている情感が広がっていくのだった。私は家に...

深夜、仕事から帰る私を、猫はいつも玄関の扉のところで待っていた。闇の中にひっそりとうずくまっている猫を見るたびに、私の心はしなびた袋から弾力のある柔らかな袋へと回復していく。夜気で冷えた体を抱けば、頬や首に触れる毛の1本1本から、迎えられている情感が広がっていくのだった。私は家に帰るのではなく、猫のいる場所に帰っていたのだ。猫に迎えられ、毛に包まれ、舌で顔中を舐められるために。──

Posted by ブクログ

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