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不老を夢みた徐福と始皇帝 中国の徐福研究最前線
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不老を夢みた徐福と始皇帝 中国の徐福研究最前線

池上正治(訳者)

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不老を夢みた徐福と始皇帝 中国の徐福研究最前線

1,870

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 勉誠社
発売年月日 1997/07/01
JAN 9784585050308

不老を夢みた徐福と始皇帝

¥1,870

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2025/10/13

いきなり話が逸れるけど『月の光 現代中国SFアンソロジー』に『始皇帝の休日』という話が入ってて(馬伯庸(マー・ボーヨン)著)この話の冒頭ってこんなふうに始まる。 ”秦の始皇帝は首都咸陽(かんよう)の豪華絢爛たる王座から勅を発した。統一国家の成就を機に、「朕はこれより休暇をとって...

いきなり話が逸れるけど『月の光 現代中国SFアンソロジー』に『始皇帝の休日』という話が入ってて(馬伯庸(マー・ボーヨン)著)この話の冒頭ってこんなふうに始まる。 ”秦の始皇帝は首都咸陽(かんよう)の豪華絢爛たる王座から勅を発した。統一国家の成就を機に、「朕はこれより休暇をとってゲーム三昧となる」” この勅を受けて百家争鳴よろしく墨家・儒家・道家・法家・兵家・農家・名家・陰陽家の各学派がそれぞれ始皇帝におすすめゲームを献上しにくるわけだけど、各学派がどんなゲームを薦めるかは、本編を読んだ方がずっと面白いので、ここでは詳しく触れない。軽く触れるとしたら各学派の思想を反映したゲームをそれぞれがオススメしてくるので、農家がオススメしてくれるゲームはもちろん「牧場物語」。当然だよね。(そうなのかな。) 始皇帝は様々なゲームを薦めてもらって、最初は楽しくプレイするんだけど、そのうちゲームシステムに不満が出てきたりして、「ゲーム三昧」にふさわしいゲームを中々見つけることができない。そこに颯爽と登場するのが「徐福」。自分に投資してくれれば必ずや至高のゲームを蓬莱島から持ち帰りましょうと請けあって始皇帝の私財で大船団を組み、意気揚々と出航してしまう。(ちなみに持ち帰る予定のゲームは「デューク・ニューケム・フォーエバー」だよ。楽しみだね。) ……この話、絶対に始皇帝と徐福の話を知っていた方がより面白く読めるんだろうなー!!と思って手に取ったのが本書。(やっと本題。)本の厚みも薄かったから、すぐ読めるかな……と思って。 でも、薄いのは薄いんだけどそんなに読みやすくは無かったかな。平成9年出版ということもあって、全体に少し古さを感じる。それに加えてこの本は「中国徐福会」(そんなのがあるんだ)が行事やシンポジウムで発表したスピーチやレポートを「日本徐福会」(そんなのがあるんだ)の人が編訳して一冊にまとめたものになっていて、「中国徐福会」の人が書いたレポートとレポートの間に編訳者の解説および考えが挟まるから「あれ……?私、今、誰の文章読んでるんだっけ……?」という事にしょっちゅうなってしまった。でも色んな人が集まって歴史を研究する面白さみたいなのは伝わってきた一冊。楽しいんだろうな、と思った。 始皇帝って中国史上最初の全国統一を成し遂げた功績はとても大きい。でも統一にあたって行なった焚書坑儒とかには、それなりの理由があったとしても中国内で二つの異なる評価があるんだそう。歴史の一大汚点だとする観点と、変化する時代の「代償」だという観点。 始皇帝の成した事ってきっと「どう見るか」で評価が変わる点が他にもいっぱいあるわけだけど、「徐福」という人物もその起点の一つなんだろう。 徐福は始皇帝に不老長寿の仙薬を持ち帰るために日本へ送り出された。そして、それを中国に持ち帰ることは無かった。この行為に対してこの本では三つの説が提示される。 第一の説は仙薬を得ることに失敗したから身の安全のために帰らなかった説。 第二の説は徐福が「海外を開発したい」という志を持っており、始皇帝の薬を求める気持ちを利用して日本に渡った説。 第三の説は始皇帝が海外を開発したかった説。(不老長寿の薬の方がデコイ) 一から三のどれかによって、徐福の行為の内容と結果は変わらないのに、始皇帝の見方はまるで変わってくる。色々な文章や史跡を訪ねてこういう事を考察するのが面白いんだろうなぁと。ちなみに編訳者は焚書坑儒についてかなりはっきり反対派のようで、「愚かな……」という書き方を何度もしており、収録されてる他の著者との温度差があってちょっとおもしろかった。(人が悪い見方かもしれないけど) スッと一本通しで歴史の流れを解説してくれるような本ではないから一冊の本としては読みにくいけど、多角的な研究者の熱が伝わってきて、良い読書体験ができる一冊ではあると思う。ここに取り上げたのは、徐福が日本に渡った動機についての研究についてだけだけど、徐福研究のアプローチは歴史・地理・海洋・航海・造船・医薬と様々な切り口がある。個人的には当時どんな船を使用していたかの話もとても興味深かったし、どんなものを薬草として扱っていたのかという話もとても興味深かった。

Posted by ブクログ