1,800円以上の注文で送料無料

精神分析に別れを告げよう フロイト帝国の衰退と没落
  • 新品
  • 書籍
  • 書籍

精神分析に別れを告げよう フロイト帝国の衰退と没落

H・J.アイゼンク(著者), 宮内勝(訳者), 中野明徳(訳者), 藤山直樹(訳者), 小沢道雄(訳者), 中込和幸(訳者)

追加する に追加する

精神分析に別れを告げよう フロイト帝国の衰退と没落

3,740

獲得ポイント34P

在庫あり

発送時期 1~5日以内に発送

商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 批評社/
発売年月日 1988/01/01
JAN 9784826502283

精神分析に別れを告げよう

¥3,740

商品レビュー

2.7

4件のお客様レビュー

レビューを投稿

2024/08/19

フロイトの伝記、ルイス・ブレーガー著『フロイト 視野の暗点』でも、フロイトがいかに科学的根拠のないまま理論を作り上げ、それを適用していったかが書かれていました。その伝記で書かれていたフロイトのあり方をより詳しく、ひとつひとつの理論がいかに根拠もなく語られていたかを知るのにこの本は...

フロイトの伝記、ルイス・ブレーガー著『フロイト 視野の暗点』でも、フロイトがいかに科学的根拠のないまま理論を作り上げ、それを適用していったかが書かれていました。その伝記で書かれていたフロイトのあり方をより詳しく、ひとつひとつの理論がいかに根拠もなく語られていたかを知るのにこの本はおすすめです。 かなり衝撃的な内容が書かれています。私もかなりショックを受けました。

Posted by ブクログ

2023/01/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

アインゼクがフロイト批判をかき集めて、勢い余って「マッソンは正しいようです」としているのが可笑しい。ここで"The Assault on Truth"のジェフリー・マッソンが正しいとするのは同時に『心的外傷と回復』のジュディス・ハーマンを支持していることなので、矢幡洋(『危ない精神分析』『危ないPTSD』)や橘玲(『「読まなくてもいい本」の読書案内』)が「記憶戦争」でのハーマンを批判しながら権威付けにアイゼンクの名前を出しているのは滑稽。矢幡洋も橘玲『精神分析に別れを告げよう』を読んだことがないならアイゼンクの名前を出さなければぼろが出なかったのに。 p.12 「 おなじ議論が最近の出版物にもあてはまっています。その出版物は、フロイトが彼の理論を意図的に変更したことを示唆しています。つまり、理論が誤っていたからでなく、そのほうが敵意を呼び起こすかもしれないからというものです。これが『フロイト:真理への暴挙』と題するマッソンの本の力点となっています。マッソンはフロイトの遺稿を手にし、フロイトのフリースとの文通を根拠に、子どもの性的いたずら(ママ)の証拠をフロイトは知っていたが意図的に隠し、彼の臨床的資料と彼の証人としての患者をわざと変造し、そのかわりに外傷的「性的空想」とエディプス衝動の観念を発明したとマッソンは論じています。マッソンによれば、「世界中の精神分析と精神医学の現在の不毛状態に根をはっている……現実の世界から遠ざかる傾向は」フロイトがこのようにして最初にはじめたとのことです。  マッソンは正しいようです。しかし正しいということを証明する証拠が余りありません。しかしともかく、フロイトの動機は彼の理論の真理と偽りとにあまり関係していませんでした。彼の初期の「性的誘惑」理論も、後期の「空想」理論と比べて少しも正しくありません。いずれの理論も、知られている事実や経験的な研究および実験によって判定されるべきであり、フロイト側のかんぐり好きな動機づけによって判定されてはなりません。」 この訳書の上の箇所で「性的いたずら」となっているのは「性的虐待」。 『背信の科学者たち』でアイゼンクの友人シリル・バートの研究不正が取り上げられていたので、アイゼンクの研究不正も出るかもとは思っていたが、実際に近年アイゼンクの研究不正が話題になったら驚いた。アイゼンクが研究不正をしたからといってフロイトが正しくなるわけではないのだが、アイゼンクの名前を出したら自動的に科学の側にいることになるとは思うべきではない。 余談だがこの訳書の初版第1刷ではポパーの「偽造可能性」というびっくり訳語が使われていた。これはさすがに初版の第何刷かで「反証可能性」に訂正された。

Posted by ブクログ

2021/05/19

著者の執筆動機は,①精神分析によって苦痛を受け悪化する患者を看過できない,②非科学的な精神分析によって立ち遅れた心理学を建て直さなければならないという信念だそう。科学も宗教的な側面があるけども「説を客観的に理解する」という性質は,本来は宗教にないものだ。コロナ禍の今,科学性の重要...

著者の執筆動機は,①精神分析によって苦痛を受け悪化する患者を看過できない,②非科学的な精神分析によって立ち遅れた心理学を建て直さなければならないという信念だそう。科学も宗教的な側面があるけども「説を客観的に理解する」という性質は,本来は宗教にないものだ。コロナ禍の今,科学性の重要性は多くの人が気づいたと思う。臨床心理学の一部の非科学的専門家によって非科学的臨床家が再生産されることは「百害あって一利なし」だし,それによってまともな臨床家が食っていけない社会が今後も続くことを意味するだろう。 ***** フロイトが思いつきに思いつきを重ねるばかりで,いかなる科学的証明も試みなかったことは,当初から明らかだったはずです。それなのに,フロイトを「洞察」という著しく価値のある概念に寄与した大人物と信じ込んでしまった心理学者や精神科医の迷いを解くのにごく最近までかかりました。その間に,精神分析の犠牲となったひとたちのことを思うと,それはそれは悲しい物語です。神経症や精神病という重い病気にかかった数多くの患者さんたちが,治してもらえるというはかない夢を追って,時間とエネルギーと金を費やし,そのあげく現実に得たものがあったとしたらそれは精神分析を受けたことによる悪化でした。(p.1-2, 日本語版への序) 学問的にはフロイトも精神分析も否定されましたが,治療技法としては今なおぐずぐずと生き残っております。したがって,今,精神病をわずらっているひとびとに精神分析が救いの道ではないことを明らかにするときがきたと確信するものです。(p.2, 日本語版への序) 似非科学としか呼びようのない,何の事実にも根ざしていない大宣伝によって,ひとびとがいかに簡単に惑わされてしまうものか,こうして作られた幻想がいかに長くつづくものかを書きました。フロイトは心理学と精神医学の進歩を五〇年いやそれ以上遅らせました。(p.2, 日本語版への序) この[精神分析という]テーマで書かれている本のほとんどは,精神分析家によるものであり,あるいは少なくともフロイト運動の陣営のひとによるものであり,したがって無批判であり,他の理論に無頓着であり,精神分析のおかれている現在の位置を客観的に検討するというより,宣伝戦の武器として書かれています。(p.6) 科学の立場からすると,私たちは批判力を科学のために生かすべきであり,拒否や否定を恐れてはならない。科学を宗教や哲学とおなじく人間の知的活動の一分野と宣言し,同等の価値があるとみなし,したがって科学は他の二つに干渉してはならないし,三者は真理に対し同等の主張をそれぞれ持っているとみなし,どのような確信を持とうが,信念を持とうが自由であるという考えは認められない。そのような考え方を認めるひとのほうが,はるかに尊敬でき,寛容であり,心が広く,狭い偏見から自由であると思われるものである。しかし,残念ながらそのような考え方は,まったく非科学的世界観Weltanshauungに基づくものであり,有害であり,いいかげんであり,したがって実践においても似たようなものになる。真理は寛容ではなく,妥協や制限を認めず,科学的研究は人間の活動の全分野を対象としており,この分野のどんな一部分であれ奪おうとする力に対しては非妥協的批判的態度で臨まなければいけない。これは明白な事実である。[フロイトの主張(引用元不明)]  以上の意見に私も賛成するしかありません。この意見は,フロイトの書いたほかの多くの文章でもそうですが,彼が伝統的な感覚で科学者になろうとしていたことを示しています。彼の後継者たちが今日科学の重要性をないがしろにしたがり,彼を哲学と宗教の間のどこかに位置づけようとすることは,彼に対してはよけいなお世話となるでしょう。…フロイトは後継者たちの試みを彼の科学者としての地位を否定するものとみなすでしょうし,彼を解釈学の袋小路に追いやる裏切りとみなすでしょう。(pp.8-9) 訳者のうち精神分析を実際に行っている三人には本書はじつは不愉快なしろものだったようです。しかし,精神分析を本気で発展させる気概を持っているならば,本書のような批判を知っておく必要もあるのではないでしょうか。(p.244, 宮内による訳者あとがき)

Posted by ブクログ

関連ワードから探す

関連商品

同じジャンルのおすすめ商品

最近チェックした商品