商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 集英社/ |
発売年月日 | 1996/06/20 |
JAN | 9784087602944 |
- 書籍
- 文庫
カメラ
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商品レビュー
3.7
6件のお客様レビュー
ざばっと一定の勢いに任せ読んだ印象は、『透明度の高い灰色の膜』 膜は内側なのか外側なのか、それは問題ではなく、私には膜の奥には彩度の高い世界があるような気がする。しかし見えるのは灰色の膜。 膜はしゃぼん玉のように粒子が流れ続け、もしかしたらこれが瞑想による真理の片鱗なのかとさ...
ざばっと一定の勢いに任せ読んだ印象は、『透明度の高い灰色の膜』 膜は内側なのか外側なのか、それは問題ではなく、私には膜の奥には彩度の高い世界があるような気がする。しかし見えるのは灰色の膜。 膜はしゃぼん玉のように粒子が流れ続け、もしかしたらこれが瞑想による真理の片鱗なのかとさえ感じる。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
全体的に灰色な、淡い色合いの作品でした。主人公の「ぼく」は皮肉やでありながらとても素直な人間であることが伝わってきたが、しかし彼を包むのは恋人となったパスカル然り生暖かい質感であった。そういった日常の中で、彼が手にしたカメラで撮ったぼやけた写真は、辺見庸氏が批評したマリオ・ジャコメッリのような写真だったのではないかと、私は想像した。どれも些細に異なる日常は、つまり、何れも彼の中でぼやけている(それとも寝ぼけている?)のだ。しかし、本作最後のシーンにおいて、そんな彼の視界は一気に開ける。それは作品を通じてトゥーサンが彼に与えた賛歌のようであった。
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目が滑るというのとは違うのだけど、頭の中に入ってこなくて、でも読みやすく訳されてて、流れる川を彷彿させるような文章だなあと感じた。 あと「」を使った会話文がなく、比較的擬音語(ことん、とか)が少なくて説明文っぽいなあと。 どうして「カメラ」なのかなあと題名のことを考えながら読み...
目が滑るというのとは違うのだけど、頭の中に入ってこなくて、でも読みやすく訳されてて、流れる川を彷彿させるような文章だなあと感じた。 あと「」を使った会話文がなく、比較的擬音語(ことん、とか)が少なくて説明文っぽいなあと。 どうして「カメラ」なのかなあと題名のことを考えながら読み進めていたのだけど、個人的に、主人公視点でのみ語られていることから、その視点がカメラがピントを合わせている様子に似ているなあと思った。あと音の描写が割と少ない気がする。 映画の脚本みたいだと思って読んでいたのだけど、実際トゥーサン自らが監督して映画化しているんですね、納得してしまった。 雨の日の朝、布団にくるまってごろごろしながら読みたいなあ。
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