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場所の論理学 こぶし文庫14戦後日本思想の原点
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | こぶし書房 |
発売年月日 | 1996/06/20 |
JAN | 9784875590934 |
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場所の論理学
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場所の論理学
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西田幾多郎の場所の哲学を独自に展開し、浄土真宗の宗教哲学的基礎づけへの展望をおこなった本。 著者は、ヘーゲルの洞察を受け継いで、論理は思想の形式にのみ関係するのではなく、思想の内容そのものの運動の中で自覚されるものと考える。思想に内在的でありつつ同時に超越論的な論理の探求をおこ...
西田幾多郎の場所の哲学を独自に展開し、浄土真宗の宗教哲学的基礎づけへの展望をおこなった本。 著者は、ヘーゲルの洞察を受け継いで、論理は思想の形式にのみ関係するのではなく、思想の内容そのものの運動の中で自覚されるものと考える。思想に内在的でありつつ同時に超越論的な論理の探求をおこなった哲学者としては、カントの名前をあげることができる。カントの超越論的論理学は、私たちの認識と同時に、しかも認識によらずに成立するカテゴリの役割を明らかにした。 さらに西洋哲学史を遡るならば、デカルトやソクラテスの思索のうちにも、同じような論理を認めることができる。デカルトの懐疑は、自己についての疑いを通じて、すなわち自己に向けての否定的な営みを通じて、自己を知ることだと言うことができる。ソクラテスの「無知の知」も、これと同様である。こうした思索のあり方は、深く自己の底へと向かって自己を否定することで、かえって自己を超えることだと言うことができる。 そして著者は、こうした自覚の論理を明確にしたのが、西田幾多郎の場所の思想だったと解釈する。このような自己は、自己を超越した場所に包まれることによって、自己を包むものへとひるがえり、包まれるものの中に包むものが映されることになる。その一方で、包まれるものはけっして包むものへとひるがえることのないという否定性も、同時に成り立っている。これが「絶対矛盾的自己同一」と呼ばれる関係だが、著者は「矛盾」の言葉を嫌って、「場所的自己同一」という言葉を用いた方が、より適切だと考える。 その上で著者は、こうした場所的自己同一の関係は、浄土思想における二種深信、すなわち、法の深信と機の深信との一体観や、名号の論理を的確に説明するという主張を展開している。 西田幾多郎の哲学と禅との関係についてはよく知られているが、浄土思想との関係について掘り下げた考察をおこなっている研究書として、おもしろく読めた。
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