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デカルト=哲学のすすめ 講談社現代新書
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 講談社/ |
発売年月日 | 1996/10/21 |
JAN | 9784061493254 |
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デカルト=哲学のすすめ
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デカルト=哲学のすすめ
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デカルトの思想を読み解きつつ、著者自身の倫理学的考察が展開されている本です。 著者は、デカルトの懐疑について考察をおこなうにあたって、「飢えた子どもの前で文学は無力か」というサルトルの問いかけを参照しています。この問いかけに対して著者は、精神的生活を完全に世俗的生活から切り離し...
デカルトの思想を読み解きつつ、著者自身の倫理学的考察が展開されている本です。 著者は、デカルトの懐疑について考察をおこなうにあたって、「飢えた子どもの前で文学は無力か」というサルトルの問いかけを参照しています。この問いかけに対して著者は、精神的生活を完全に世俗的生活から切り離して純化させておらず、精神的生活の価値を計量可能なものと考えているから、こうした議論が生じたのではないかといいます。そして、精神的生活を世俗的な計量可能な価値から切り離すことで、どのような悲惨な生であっても、それが「生」であるかぎりで肯定することのできる「倫理」の可能性を見いだそうとしています。 さらに著者は、「私」の存在の原因の探求にもとづいて神の存在証明をおこなうデカルトの議論の解釈へと議論を進めます。ここで著者は、デカルトの自然科学的世界観である渦動説を参照し、「宇宙の観念の原因は、世界の流れに埋め込まれている限りでの私の内にあるはずがない」ということから、「共通善」という倫理的な原則を引き出そうと試みています。 われわれはだれもが「死にゆく者」であり、死にゆく者として「私」は存在しています。そして、このような「私」として存在していることの根拠は、「私」自身のうちに求めることはできません。死にゆく「私」の生は、「無限なるもの」によって与えられた恩寵であると著者はいい、デカルトの神をこうした「無限なるもの」に読み替えることで、神によってあたえられた「私」の生を、最高の喜び、最高の幸福として肯定する道を切り開こうと試みています。 デカルトの議論のうちに、ニーチェやドゥルーズの世界観につながる洞察を読みとり、カントのような義務倫理学を乗り超える可能性を切り開こうとする著者の意図が前面に押し出されている本ですが、おもしろく読むことができました。
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「近代哲学の歴史とは、デカルトが到達した高みから滑り落ちた歴史」という高らかなデカルト賛美が冒頭から始まる。その後はデカルトへの著者の熱い想いのオンパレードで、デカルト好きにはたまらない内容。ただし、著者独特の解釈も多々見られるので、これを鵜呑みにせずに類著も読んだほうがいいだろ...
「近代哲学の歴史とは、デカルトが到達した高みから滑り落ちた歴史」という高らかなデカルト賛美が冒頭から始まる。その後はデカルトへの著者の熱い想いのオンパレードで、デカルト好きにはたまらない内容。ただし、著者独特の解釈も多々見られるので、これを鵜呑みにせずに類著も読んだほうがいいだろう。独我論と多様性って排他的ではないだろうし、各々の自由を認める事の可能性が開けているのではないかと思っているのだが、この辺は引き続き考えていきたい。
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すべての事柄を俎上に載せて「思い込み」を「根こそぎ」にする態度というのは、古代ギリシア以来の哲学の基本姿勢で、その姿勢がカントや数々の現代思想家よりも徹底しているのがデカルトである、と著者は説いているのだろう。著者はデカルトの著作をたどりながら、デカルトが語ろうとしたことを読者に...
すべての事柄を俎上に載せて「思い込み」を「根こそぎ」にする態度というのは、古代ギリシア以来の哲学の基本姿勢で、その姿勢がカントや数々の現代思想家よりも徹底しているのがデカルトである、と著者は説いているのだろう。著者はデカルトの著作をたどりながら、デカルトが語ろうとしたことを読者に伝えようとする熱意のあまり、その論がデカルトのものであるのか、著者独自のものであるのかわかりづらくなっているところがある。またややナルシスティックな物言いになっていると感じた。
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