商品詳細
内容紹介 | 内容:海猫.チロリアンハット.手鏡.幻.或る町の出来事.秋の旅.果実の女.法師蝉.銀狐 |
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販売会社/発売会社 | 新潮社/ |
発売年月日 | 1996/06/01 |
JAN | 9784101117362 |
- 書籍
- 文庫
法師蝉
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法師蝉
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2.7
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退職後、老後をテーマにした、老年期男性の短編9篇。妻にないがしろにされた退職後、ふと海辺で一人暮らしをしようと思い達、退職金を半分もってとある街に住み着く男。退職後に料理教室を始めたら、若い男と駆け落ちした果物屋の奥さんに呼び止められ、復縁を取り持ってほしいと言われた男など。 ...
退職後、老後をテーマにした、老年期男性の短編9篇。妻にないがしろにされた退職後、ふと海辺で一人暮らしをしようと思い達、退職金を半分もってとある街に住み着く男。退職後に料理教室を始めたら、若い男と駆け落ちした果物屋の奥さんに呼び止められ、復縁を取り持ってほしいと言われた男など。 明らかに違う人生で、特にこれといった事件なども起こらない話ばかりなのだが、どうも吉村昭自身がどの作品にもにじみ出ており、1/3くらいは私小説なのだろう。若いうちに結核になって肋骨を2本取ったとか、念願の子供があっという間に亡くなるなど他作品で見たエピソードも複数見られた。 それぞれこねくり回した純文学というものではなく、さらっと俳句のように読んでしまえる作品群である。そして、どの作品も、男がちょっと、わがままである。 妻の、周りにいる女の能動的なわがままに対し、男たちは受動的にわがままを貫く。おそらく吉村昭の晩年がこうだったのだろうなと思う作品だ。 さらに、どの作品からも「死」を感じるであろう。退職後も何かにとらわれている男たちであるが、それが開放される「死」に対する恐怖がそこはかとなく感じられる。
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