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西田哲学と宗教 大東名著選20
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 大東出版社 |
発売年月日 | 1994/01/20 |
JAN | 9784500005987 |
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西田哲学と宗教
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西田哲学と宗教
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西田幾多郎の哲学における宗教の位置づけをクリアに整理している。ただその分、西田の宗教哲学の深みにまで説明が届いていない気がするのだが、どうなのだろうか。 西田は、哲学をも含むあらゆる学問・道徳の根本に宗教が存していると考えていた。『善の研究』では、小我を否定しつくして大なる意識...
西田幾多郎の哲学における宗教の位置づけをクリアに整理している。ただその分、西田の宗教哲学の深みにまで説明が届いていない気がするのだが、どうなのだろうか。 西田は、哲学をも含むあらゆる学問・道徳の根本に宗教が存していると考えていた。『善の研究』では、小我を否定しつくして大なる意識の根源的統一力に合一するところに宗教的意識が成立すると考えられていた。宗教は、純粋経験の哲学の極致だということができる。 ところで、宗教が哲学の根源だとされる以上、哲学の立場から宗教的事実にはけっして到達できない。だがそれにも関わらず、宗教的事実は哲学を要求すると考えられていた。西田は、「人生の悲哀」、あるいは人生で人々が直面する「自己矛盾」という事実を見つめてゆくとき、私たちに宗教の問題が起こってくると述べた上で、「哲学の問題というものも実は此処から起こるのである」という。こうした宗教と哲学との関わりがとりわけ明確に語られているのが、中期の「場所」の思想である。西田は、「絶対無の場所」と「絶対無の自覚」、「宗教的意識」の三者が一致すると述べて、哲学と宗教との関係を「場所的自覚」の考えによって基礎づけようとしていた。 さらに晩年の「場所的論理と宗教的世界観」では、「絶対」の立場である宗教と、「相対」の立場に立つ自己との間の関係が、「逆対応」という言葉で語られるようになる。著者はこの時期の西田の書簡などを検討し、務台理作や鈴木大拙、田辺元との関わりの中で西田の宗教哲学が形成されていったことを明らかにしている。西田は務台が『場所の論理学』の中で論じた「場所的対応」の考えに共感しながらも、そこに対立ないし矛盾の契機が欠けていることを指摘する。こうした西田の考えの背後にあったのは、対立・矛盾を介した対応関係を大拙の「般若即非の論理」であった。他方で西田は、阿弥陀仏の呼び声と衆生の呼び声とが「卒啄同時」でありながら、衆生の呼び声が阿弥陀仏からの計らいによるものだという「名号の論理」に深く動かされており、自力の立場に終始している田辺の「懺悔道」の思想に不満を述べていた。著者はこれらの思想との関わりを解明することで、晩年の西田の宗教論の特徴を捉えようと試みている。
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