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思想としての近代経済学 岩波新書321
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思想としての近代経済学 岩波新書321

森嶋通夫(著者)

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思想としての近代経済学 岩波新書321

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 岩波書店/
発売年月日 1994/02/23
JAN 9784004303213

思想としての近代経済学

¥880

商品レビュー

4.2

12件のお客様レビュー

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2023/04/24

本書はリカードからケインズに至るまでの「セイ法則時代」に登場する数々の大社会経済学者を紹介した本である。近代経済学がどのようなフレームで発展し、どのような視点が生み出されたかが森嶋氏によって簡潔明瞭に記述されている。「供給はそれ自体の需要を生み出す」というセイ法則が経済発展に伴っ...

本書はリカードからケインズに至るまでの「セイ法則時代」に登場する数々の大社会経済学者を紹介した本である。近代経済学がどのようなフレームで発展し、どのような視点が生み出されたかが森嶋氏によって簡潔明瞭に記述されている。「供給はそれ自体の需要を生み出す」というセイ法則が経済発展に伴って世迷い事になり、反セイ法則時代であることを非常にわかりやすく解説してある。その意味で、本書は大経済学者の紹介寄せ集めだけでなく、全体を通してセイ法則がなぜ間違っているか一貫して解説した本とも言える。 古典を読んだことのない経済学部生や21世紀の経済学のあり方を模索されている方、また経済学に対して色々な意味で違和感を感じておられる方に本書をお薦めします。下手な大学の講義より何倍も役に立ちます。

Posted by ブクログ

2022/06/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

本書の中で特に惹かれた内容は ミーゼスに対する批判として 経済活動としての自由とは、法律で許されている範囲内での自由であり、無法者に大暴れの自由を許したのではない。 イギリスの阿片貿易に対してミーゼスが「自由貿易の観点からは毒物の売買についても障壁が設けられるべきでないということ、および各人は自分の体に害のある享楽は自分自身の力で断つべきだということは、社会主義者や英国嫌いの人が言い立てるほど卑劣でもなく、さもしくもない。」と記述していることに対し 自由放任とは完全な自由放任でなく、現行法規内での自由放任である。その上、たとえ合法的な行為である場合でも、その効果が経済的効果だけでなく、生理的効果や政治的ないし倫理的な効果を伴う場合には、経済理論だけで自由放任の良し悪しの判定をすべきではない。 インド人が隷従させられたことにより自尊の誇りを失って、ゆがめられてしまったことにはなんの考慮も払っていない。 政治学や社会学や倫理学を総動員して、総合的に判断しなければならない大問題への結論を、経済理論の一片の知識だけから引き出すという誤謬を、彼は犯している。 「主権は絶対だ」とイギリス人は考えるが、そうならインドや中国の主権も絶対である。そのことを認めない帝国主義の正当化は、全く一方的である。 「自由は常に善をもたらす。毒物を買った人が破滅したなら、それは毒物の自由販売の責任でなく、自由意志で毒物を拒否できなかった本人の責任だ」と主張しているが、これも全くの詭弁の類である。 ヤクザや麻薬業者が自由に行動すれば、一体何が起こるかわからない。 現実の資本主義経済は多くの点で不自由な拘束された社会である。 と反対意見を述べられていること ケインズは経済学者に、冷たい理性と温かい心と、あるいはそれにも増して勇気が必要なことを実証してみせた。 現在の「発達」した社会的な意思決定論や正義論の立場から見れば、ケインズの価値観の構造は単純素朴である。しかし恐らくこのような「進んだ」哲学的思考からは、なにも行動しないことが「正義」だと結論され、ケインズのような発言をしないばかりか、ケインズが発言しても無視されるであろう。もしそうなら、これらの進歩した哲学とは一体何なのか。 森嶋さんの感情的な意見が特に印象深かったです。

Posted by ブクログ

2020/04/18

資本主義の体制としてセイ法則が成り立たない状況であるがゆえに、純粋な資本主義の均衡は成り立たない、ということでサッチャーのような自由主義は失敗しており、ケインズ的考えが当てはまるということを述べている。 ・時系列的な基準でない考え方(後進になるほど前時代のものはいっしょくたに与...

資本主義の体制としてセイ法則が成り立たない状況であるがゆえに、純粋な資本主義の均衡は成り立たない、ということでサッチャーのような自由主義は失敗しており、ケインズ的考えが当てはまるということを述べている。 ・時系列的な基準でない考え方(後進になるほど前時代のものはいっしょくたに与えられる) ・それでいて歴史の事象を時系列的に説明 しているため、第一次世界大戦〜戦後までの間のイメージが非常につかみやすかった。資本投資機会が充分にないことで供給に等しい需要は発生しない。資本の供給量が減少し、労働側の需要も減少していき、労働の供給過剰は一掃される=失業下での一般均衡が起こる。そのため需要機会を発生させるための政府支援策が必要。 せっかくなので、もう少しケインズについて詳細を説明してほしいところ。 経済学という枠のみならず、広く帰納法的な社会科学的にも捉え、また公論や演繹的に純粋科学としても捉え、行ったり来たりしながらバランスの良い議論だと思っている

Posted by ブクログ

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