商品詳細
内容紹介 | 内容:キラキラと輝くもの.くるぐる使い.憑かれたな.春陽綺談.のの子の復讐ジグジグ. 巻末特別対談 糸井重里・大槻ケンジ、超常現象と「ヘン」を語る |
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販売会社/発売会社 | 早川書房/ |
発売年月日 | 1994/11/30 |
JAN | 9784152078872 |
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くるぐる使い
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くるぐる使い
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商品レビュー
4.1
10件のお客様レビュー
うーん…怖い。現実逃避とはいえ、グロいし妙にリアル。 あっという間に人間の気持ちってこわれちゃうんだね…。 これ読んでたら私もそっちの世界に行ってしまいそう。 大槻さんと糸井重里さんの対談でちゃんと現実に戻ってこれてホッとした。
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短編集。SF。ホラー。 アンソロジーで読んだ「くるぐる使い」が面白かったので、図書館からレンタル。 狂った人間を描くのが上手い。 「キラキラと輝くもの」と「憑かれたな」が良かった。 特に「憑かれたな」は、ホラー短編として、かなり完成度が高そう。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
めちゃめちゃ良かった。 今まで読んだ大槻さんの小説の中で一番好き。 読後感に特殊なものを感じた。 春陽綺談:ああいう酷い孤独感に苛まれる感じ、わかるので、胸が押し潰されそうになった。オーケンの小説はこういうところを鋭く突いてくる。 復讐ジグジグ:カタルシス。のの子はついに復讐をやり遂げる。 『人生ってジグジグ苦しいことばかりだけど、いつか幸福が訪れて来るものなのよ。それに気づかなくちゃ、生きてたってあんた達はいつまでも壺の中よ。』 不器用な人ばかりの短編集の最後を飾る1篇の最後のセリフ。救いの総括。別世界に行っても死んでも狂っても、悲劇であり喜劇。 この本に登場する人物達は皆、客観的に見たら完全に悲劇だけど、本人達は本当の幸せを掴んでるんだろうなと思う。実態は喜劇。 全員生きる事に不器用。そういう人達の救いになる小説だ…全うな人生じゃなくても、罪悪感や孤独や悲観に心を蝕まれてても、どんな歪んだ形であれその人なりの幸せが訪れる。そういう終わり方が凄いし、オーケンらしいと感じた。 不器用な人間の人生の一粒一粒を苦く苦く噛みしめるストーリーも面白いが、オカルト知識が全編に渡って活用されており、そういう意味でも興味深く面白かった。 「くるぐる使い」で「くるぐる」にするためにコックリさんを利用したこと、コックリさんは十代の多感な娘になら簡単にヒステリーを起こさせること。トランス状態を覚えた少女は自慰を知った猿みたいなもんでトコトンやってしまうという。 自分の欲望や劣等感や憎悪や不安と、文字盤を通して語り合う、地獄の自己分析であること。 「憑かれたな」の憑依現象とその対処法として演技を用いるアイディア。オカルトに対し懐疑派であるオーケンらしい発想(どこかでそういう説が既にあるのかもしれないけど)。 最後の母親のセリフ、「憑かれたな」は、「疲れたな」でもあるのかなと思う。 憑依現象が抑圧に対する本能の逃避行動…であれば、お母さんは娘の為に我慢しすぎて自殺まで考えて、疲れて風船があそこで弾けちゃったと。 読後のきもちわるさもわかるしさっぱり感もわかる。 きもちわるさは、過去の自分に照らし合わせて「もしかしたらこうなっていたかもしれない」恐怖や、未知や冥府魔道な別世界サムシングへの本能的拒否かなと。 さっぱりは、皆救われてるから。完結しきってるから。 はー。すごいなこりゃ。 いつかもう一度読みたくなる本であると確信。
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