ワイルド・スワン(上)

ユンチアン【著】, 土屋京子【訳】

• 販売会社／発売会社: 講談社/
• 発売年月日: 1993/01/26
• JAN: 9784062056533

商品レビュー

2024/10/07

前後編合わせての感想。

夫オススメの作品。歴史は苦手なのと、以前とても苦労してパールバックの大地を読んだので、なかなか読む気にならなかったが、補修校の図書館の蔵書にあり、夏休み中に読むことにした。

結果、読んですごく良かったです。こんなに読み応えのあるノンフィクション小説は他にはないと思う作品。

もちろん中国では読むことができないだろうけれど、全中国人に読んでほしい。戦争中は日本人が中国人にひどいことをしたのは間違いないが、戦後の中国国内で起こったことは読むのがツライほどひどいことが行われていた。その国内での歴史は無かったことにして、日本のことだけを責めて反日教育するのは、本当におかしい。

色々考えさせられる作品でした。

2024/04/09

最近知り合った歴史好きな仲間の間で話題にあがったので借りた本。清の時代の曽祖母の名前がなくて呼ばれた名前や纒足のこと、夏先生の射精をせずとも絶頂に達する？みたいな話や、政治路線でない目線で中国共産と国民党の対立について描いていてとても興味深かった。作者の子どもの頃に祖母からみかんのたねを飲んだら頭からみかんの木が生えてくるから飲んじゃダメと言われて、こっそり飲んだかわいいかわいいエピソードが好きです。

2023/07/10

お父さんの書棚にあった一冊。
ずーっと読みたいと思っていて、今回やっと読めました。まず文章の雰囲気が重厚感あふれてて大好物。
多分訳者さんの技術が相当すごいんだと思います。
主人公（著者）の曾祖父・曾祖母の生い立ちから話が進んでいくので、とんでもなくスケールがでかい本です。
中国の大河の流れのような物語、まさに大河小説…！

最近、なぜか縁あってロシアや旧ソ連、中国などの共産主義（だった）国を舞台にした本を読む機会が多い。
正直自分の生きてきた世界とは全く違う価値観。でも、彼らは彼らにしかわからない歴史があって、正義があって、それが「共産主義」というものに集約されただけなのかなあと思ったり。

こういう小説を読むと、その国の政治思想や宗教などの大きなものだけにとらわれて、そこに住む人々のことを忘れたくないなあと思わせてくれる。
下巻を読むのも楽しみ。