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アナバシス 敵中横断6000キロ 岩波文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
発売年月日 | 2002/07/11 |
JAN | 9784003360323 |
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アナバシス
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商品レビュー
4
14件のお客様レビュー
ペルシアのキュロス王…
ペルシアのキュロス王子は兄の王位を奪うべく長駆内陸に進攻するのですが、バビロンを目前にして戦死してしまい、敵中にとり残されたギリシア人傭兵一万数千の六千キロに及ぶ脱出行が始まります。従軍した著者クセノポンの見事な采配により、雪深いアルメニア山中の難行軍など幾多の苦難を乗り越え、ギ...
ペルシアのキュロス王子は兄の王位を奪うべく長駆内陸に進攻するのですが、バビロンを目前にして戦死してしまい、敵中にとり残されたギリシア人傭兵一万数千の六千キロに及ぶ脱出行が始まります。従軍した著者クセノポンの見事な采配により、雪深いアルメニア山中の難行軍など幾多の苦難を乗り越え、ギリシア兵は故国をめざします。冒険小説的な気分で読めます。
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物語としても歴史資料…
物語としても歴史資料としても貴重な文献です。要旨は「ペルシアのキュロス王子は兄の王位を奪うべく長駆内陸に進攻するが,バビロンを目前にして戦死,敵中にとり残されたギリシア人傭兵一万数千の六千キロに及ぶ脱出行が始まる。従軍した著者クセノポンの見事な采配により,雪深いアルメニア山中の難...
物語としても歴史資料としても貴重な文献です。要旨は「ペルシアのキュロス王子は兄の王位を奪うべく長駆内陸に進攻するが,バビロンを目前にして戦死,敵中にとり残されたギリシア人傭兵一万数千の六千キロに及ぶ脱出行が始まる。従軍した著者クセノポンの見事な采配により,雪深いアルメニア山中の難行軍など幾多の苦難を乗り越え,ギリシア兵は故国をめざす。 」という内容です。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
塩野七生「ギリシア人の物語」にて、世界最古のノンフィクション小説と紹介されていたので読んでみた。 まず思ったのは、撤退するギリシア兵迷惑すぎるということ。退却時に近くの村を襲って食糧や村人(美貌の女性や少年)を奪うわ、襲われた村が兵士を返り討ちにしてその遺体を返そうと使節を送ったら石を投げて殺すわ、すぐ内紛で分裂するわ、もうめちゃくちゃ。 ただ、村もやられてばかりではなく、敵対部族との戦争にギリシア軍を差し向けたりする。巻4の第7章で、現地の案内人の男の導きでついに故郷に続く海が見えたときには、ギリシア軍が喜びのあまりその男にたくさん褒美をもたせたり、微笑ましい場面も。 あと、作者のクセノポンがことあるごとに占いをするのだけど、そのやり方が犠牲獣(羊など)を捌いて内臓の出方等を見るというもの。それを進軍だったり出発だったりの際に何度も(吉兆が出るまで)行うので「またか」となる。大切な食糧が勿体ないのでは?と思うけど、当時の信心深さの表れということかな。 クセノポンはソクラテスの弟子なだけあって弁論術が匠みで、何度も兵士に司令官として弾劾されそうになるのを長々とした説得で乗り切る。また、彼と中盤までほぼツートップとして軍の采配をしていたケイリソポスも、無骨なスパルタ人ながら中々的を射た発言をするのが面白い。 巻4の第6章で、ペルシアからの追手を迎え撃つために、ギリシア兵がアルメニア地方の山の基地を「奪取」するという話がある。そこでクセノポンは「スパルタでは上位階級が子供の頃から盗みの稽古に励むそうじゃないか」という。それに対してケイリソポスは「きみの国(アテネ)こそ、公金を盗むことにかけては名人だと聞いている。しかも、いわゆる最高級の人間が一番凄腕だそうだ」と返す。 このくだりは見事にやり込められ、結局基地の奪取に向かうクセノポンに笑ってしまった。この二人はなんだかんだで友情が芽生えていたのではないかと思ったが、ケイリソポスの死の描写から、クセノポンはあまり良く思っていなかったようで残念。 他にも、雪の中で全軍が凍死しかける寸前に村を見つける場面や、キュロスの戦死後にクレアルコス以下初期の司令官たちがティッサペルネスの口車に乗せられて皆殺しにされる場面も見応えがあり、各地の村の文化や食べ物の記載等はロードムービー的な面白さもある。全体的にドラマティックで飽きないのだが、クセノポン自身の弁舌が長すぎるのが玉に瑕。
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