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薔薇の誘惑(上) 扶桑社ミステリー
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 扶桑社/ |
発売年月日 | 1993/11/30 |
JAN | 9784594012953 |
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薔薇の誘惑(上)
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商品レビュー
2.5
2件のお客様レビュー
姉妹は、エリノアの住…
姉妹は、エリノアの住む南仏の城館に集まるが…。ベストセラー作家S・コンランの最新作。
文庫OFF
【小説家が主役のお話シリーズ】 私は小説家が主人公のお話が好きだ。 そのお話の中で、作家である主役が小説を書いているシーンや、自分の創作について語るシーンには、そのお話を書いた作家自身の考えや経験がたくさん盛り込まれていて、とても興味深く面白い。 **************...
【小説家が主役のお話シリーズ】 私は小説家が主人公のお話が好きだ。 そのお話の中で、作家である主役が小説を書いているシーンや、自分の創作について語るシーンには、そのお話を書いた作家自身の考えや経験がたくさん盛り込まれていて、とても興味深く面白い。 ******************************************* 世界に名だたる大御所ロマンス作家が主役の、いわゆる『アーガ・サーガ』物。 (※女性が主役の恋愛と悲劇と出産と別離なんかが親子孫三代に渡って書かれたりする一大長編ロマンスのこと。米国の有名オーブン?メーー名にひっかけてアーガ・サーガと呼ばれている(らしい)) なぜか扶桑社ミステリー文庫。 ******************************************* 主人公エリノア・オデアは世界的にも有名なロマンス作家だ。彼女は第二次大戦中にロンドン空襲で亡くなった息子夫婦に代わって三人の孫娘を育ててきた。もちろんそのお金は自分のロマンス小説の原稿料。 世界的に売れに売れているのでエリノアは大金持ちだ。お城まで持ってる。だから孫娘は三人ともなに不自由なく育った。 でも孫娘三人はそんな祖母を愛してはいるが、祖母の「まるでロマンス小説の主人公のような」古臭い女性観・人生観に反感や不満を持っている。 いわく「女はおとなしくおしとやかに、男性を立ててよい妻になれ」。 だが長女クレアは夫の度重なる不倫に我慢できずに家出し、次女のアナベルはニューヨークでモデルになる。三女のミランダはロンドンで若者向けの安くてキッチュな化粧品を売り出す。 ******************************************* この物語は老齢に達した祖母と三人の孫娘たちの愛情と確執と和解を描いた物語だ。 物語中のロマンス的エピソードに関しては特に特筆すべきほどの面白さは感じなかったんだけど、私この三女ミランダが若者向けの化粧品をプロデュースし、ロンドンで小売店を始めるエピソードが面白かった。 当時、販売されている化粧品はどれもこれもオバサンくさく、その上高い。(ちなみに物語上ではこの時1960年) オシャレでちょっとトンガってるミランダは自分が欲しい明るいピンクの口紅が市販されていないからといって、いつも唇に舞台用のおしろいをつけてからカラン・ダッシュのピンクのクレヨンで塗りつぶし、その上からワセリンを塗っていた。 それを一つの商品でできるようにしたら、自分と同じようにそれを欲しがる女の子はロンドン中に山ほどいるはずだ、と考えた。 それから彼女がこのアイデアを事業として軌道に乗せようと奔走するエピソードが面白い。 作家としてのエリノアの描写は、物語の中の「現在」すでに老齢なのであんまりない。でも過去のエピソードとして、彼女がロマンス作家になったいきさつが書かれている。 復員軍人だったエリノアの夫ビリーが、ある日突然エリノアに自分の親戚が持ってた昔の貴婦人の日記を持ってきて「これを元にしてエリザベス朝時代の優雅な主婦の物語を書け」と言ってきた。 エリノアは「自分みたいな素人にはムリだ」と断るが、ビリーはエリノアを部屋に閉じ込め、徹底的に文法やレトリックを叩き込み、毎日十ページ書かなければ食事も与えなかった。 エリノアはビリーのスパルタぶりに嫌気がさしつつも、作品と引き換えにビリーが与える快楽におぼれ、ビリーのいいなりになるのであった……(以下略) これも上下巻で読み応えはあるし最後のハッピーエンドだが、肝心の「作家である主人公」の描写があまりないのと、話そのものが目新しさに欠けるのとで★2つ。
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