商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 文藝春秋 |
発売年月日 | 1992/04/10 |
JAN | 9784167136086 |
- 書籍
- 文庫
誓約(上)
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商品レビュー
4.3
3件のお客様レビュー
上下巻合わせて1,040ページあまり。しかも各ページには文字がぎっしりでほとんど隙間が無い。 この世評高い大作を読みたいがために各本屋(福岡・愛媛・東京!!)を回り、なおかつネットで検索したがどれも「品切れ」の文字がついている。諦めて本を売りに行った地元の古本屋で持ち込んだ本の査...
上下巻合わせて1,040ページあまり。しかも各ページには文字がぎっしりでほとんど隙間が無い。 この世評高い大作を読みたいがために各本屋(福岡・愛媛・東京!!)を回り、なおかつネットで検索したがどれも「品切れ」の文字がついている。諦めて本を売りに行った地元の古本屋で持ち込んだ本の査定を受けている暇潰しに本棚を見ていた時に偶然にも見つけ、迷わず購入した。 そして待望の開巻から約半月費やした後の感想は、最後の最後で救われたという感じがした。 正直、読書中はあまりにも冗長すぎやしないかと何度も洩らした。それは読後の今でも変わらない。この真相に至るまでに果たしてここまでのプロセスが必要だったのか、これは今でも疑問である。 世に蔓延る世評を見ると、重厚壮大だが読み苦しくないというのがほとんど感想として載っている。しかしやはり私には長いと感じた。 主人公のベトナム戦争で成した愚行―正確に云えば成された愚行―に対する裁判を、内部葛藤を、時に俗者のように、時に聖者のように描写する。それはある時は彼の行動を監視する者に対し、暴力を加えたり、妻への荒々しいセックスにて表出される。 デミルの素晴らしい所は、単にベトナム戦争の悲劇の犠牲者としての主人公を決して読者におもねるような聖人君子に描かず、愚痴もいい、素行もそれほど正しくなく、しかも軍隊に復員した時はだらしの無い格好で軍人の反感を買う、つまりみんなの周りにいる誰かとして描くところだ。 この手法が重苦しいテーマを読み易くしているのだろう。 (下巻の感想に続く)
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主人公ベン・タイソベンが通勤電車で向かい合った男の読む「ユエある都市の死」という書名の本を目にするところからはじまる。民間人であるはずが実はまだ陸軍の将校なのだとして、軍事裁判にひっぱりだされるのだ。カレン・ハ-パ-大佐。彼女いいねえ。タイソンってかなりいい男ぶりなんだろう...
主人公ベン・タイソベンが通勤電車で向かい合った男の読む「ユエある都市の死」という書名の本を目にするところからはじまる。民間人であるはずが実はまだ陸軍の将校なのだとして、軍事裁判にひっぱりだされるのだ。カレン・ハ-パ-大佐。彼女いいねえ。タイソンってかなりいい男ぶりなんだろうね。この前編の息づまるような流れのなかで、この二人のからみがとても心に響く。しかし、妻は恐いよ旦那。妻の座は断固たるもののようだねえ。傑作!!。
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筆者を始め、ベトナム戦争をテーマにした作品には、書き手の独特の感情を感じる場合が多い。この感情こそが作品に深みを与え、アメリカンノベルと一線を画する作品に押し上げているのだと思う。本作品は、過去の従軍時代の出来事が刊行された戦記により、世に出て改めて軍法会議にて審判される主人公の...
筆者を始め、ベトナム戦争をテーマにした作品には、書き手の独特の感情を感じる場合が多い。この感情こそが作品に深みを与え、アメリカンノベルと一線を画する作品に押し上げているのだと思う。本作品は、過去の従軍時代の出来事が刊行された戦記により、世に出て改めて軍法会議にて審判される主人公の物語である。戦記ものであり、法廷ノベルでもある本作品は、筆者の力量もありその両面で楽しめる。
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