商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 中央公論社/ |
発売年月日 | 1992/12/10 |
JAN | 9784122019560 |
- 書籍
- 文庫
花闇
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花闇
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3.5
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幕末の女形・三世澤村…
幕末の女形・三世澤村田之助の生と死を下級役者の目から見た長編。田之助は脱疽にかかり、「達磨」になって発狂の挙句死んだと言われる実在の歌舞伎役者です。
文庫OFF
北森 鴻の『狂乱廿四考』で知った歌舞伎役者・三代目澤村田之助。 やばい。 ハマってしまったみたい。 この江戸末期に咲いた、妖艶で壮絶な華のような役者をもっと知りたい一心で 手にした皆川作品。 元々好きだったこの人のひやりと冷めた、それでいてまとわりつくような エロティシズムを...
北森 鴻の『狂乱廿四考』で知った歌舞伎役者・三代目澤村田之助。 やばい。 ハマってしまったみたい。 この江戸末期に咲いた、妖艶で壮絶な華のような役者をもっと知りたい一心で 手にした皆川作品。 元々好きだったこの人のひやりと冷めた、それでいてまとわりつくような エロティシズムを醸し出す筆致が、 咲き誇り、人々の欲望をかきたて、やがて腐乱して果てた田之助と 彼を取り巻く“江戸歌舞伎”の終焉を見事に描き出している。 私は歌舞伎についてけして明るくはないけれど、 この本の解説者・今野裕一氏によれば 「今の“板の上”(現在の歌舞伎の現状)は余りに健康すぎる」 のだそうだ。 これには何だか至極納得してしまった。 男が女の身なり・仕草を真似、どこにもいるはずのない幻想の女を演じる 歌舞伎の世界。 それだけで私には既に倒錯の世界のように思われる。 ちなみにこれは私の中では褒め言葉です。念のため。 強烈な香りで人々を圧倒した華はまた、 強烈な腐臭を放って朽ちてゆく。 しかし腐れば腐るほど その身は純度の高いものと化してゆく。
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