商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 角川書店/ |
発売年月日 | 1992/03/10 |
JAN | 9784048726672 |
- 書籍
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商品レビュー
4.3
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中学か、高校くらいで、母の本棚の塩狩峠やら、氷点やらを読んで泣いた記憶がある。 それに通ずる久々の三浦綾子さん。 小林多喜二の名前は知っていても、人となりはまったく知らず、またその母の語りという物語とも知らずに読み始め、あまりの理不尽な最後に辛くて悲しかった。 労働者のよりよい...
中学か、高校くらいで、母の本棚の塩狩峠やら、氷点やらを読んで泣いた記憶がある。 それに通ずる久々の三浦綾子さん。 小林多喜二の名前は知っていても、人となりはまったく知らず、またその母の語りという物語とも知らずに読み始め、あまりの理不尽な最後に辛くて悲しかった。 労働者のよりよい労働環境をうたい、小説を書き、共産党で活動したために壮絶な最期を迎えてしまう。 皮肉なことに今の時代、お金や物は溢れていても、この時代の人情や助け合いや、個々の希望なんかは失われてるし、何がよいのか分からなくなる。 民主主義の弊害としての格差社会も、あるべき格差との隙間に児童の貧困や育児放棄など社会問題はてんこ盛り。 とにかくいろいろ考えさせられる。 とりあえず蟹工船、読みたい。 多分、高校生の時に、読んでるはずだけど。
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小林多喜二の名は知っていたし かの「蟹工船」もかつて読んだけど、人となり はこの本で知れた。時代が時代とは言うものの官憲の拷問で30歳で死亡した多喜二、その時 母は60歳。その母が88歳になった今 多喜二の思い出を振り返る形で話は進む。一番素晴らしいのは この家族の気持ちがいつも...
小林多喜二の名は知っていたし かの「蟹工船」もかつて読んだけど、人となり はこの本で知れた。時代が時代とは言うものの官憲の拷問で30歳で死亡した多喜二、その時 母は60歳。その母が88歳になった今 多喜二の思い出を振り返る形で話は進む。一番素晴らしいのは この家族の気持ちがいつも通い合っていることで、文字も読めない母だけれども家族の皆が互いを認めていて強いけど優しい。小説だからどこまで史実に添っているのか分からないけど、小林多喜二像がくっきり浮かんできた。朴訥な訛り混じりの老母の語り と言うスタイルが効いている。
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『蟹工船』の小林多喜二の母の一生を、本人が語っているかのような文章で三浦綾子が小説にしたもの。以前に買っておいた本だがなかなか開けなくて、台風でやっと読めた。 実際に読んだらとても読みやすく、「おしん」のような少女時代、こども達を育てているとき、ラストの多喜二が亡くなる様子など、...
『蟹工船』の小林多喜二の母の一生を、本人が語っているかのような文章で三浦綾子が小説にしたもの。以前に買っておいた本だがなかなか開けなくて、台風でやっと読めた。 実際に読んだらとても読みやすく、「おしん」のような少女時代、こども達を育てているとき、ラストの多喜二が亡くなる様子など、「母」の視点から淡々と描かれていた。 同じ母として共感できるところ、真似したいところなど多々あり、読んでよかった。
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